CHPオラン議員、「AKPのオスマン主義言説はカモフラージュ」
2016年06月01日付 Cumhuriyet 紙

社会主義インターナショナル副議長でもあるCHP(共和人民党)のウムト・オラン議員は、AKP(公正発展党)がオスマン主義言説に度々言及することによって新たな史観の構築に手を染めたと指摘した。

オラン議員は以下のように語る。
「イスタンブル征服の祝賀も、この意味でまるでオスマン主義言説のような権威主義のカモフラージュだ。そうであれば、AKPによるプロパガンダのカモフラージュが、これ以降のステップの「敵」を可視化し、(社会の)両極化を加速すると予想できる。AKPの態度は、権威主義を覆い隠す「オスマン主義者の新秩序」に反対するCHPをはじめ、アレヴィー派などのあらゆる社会集団を脅威にさらすものである。」

■代替史観への試み

CHPのオラン議員は、この件に関連し、本日書面で発表したコメントで次のように述べた。
「世界中どこでも、国を手中に収めようとする政党、社会運動、個人は、目標へ達するため「代替」史観の構築に手を染めてきた。彼らは自分の利益にかなうような新たな定義を創造したのだ。」

■他者化し汚名を着せる

「明確かつ十分なイデオロギーとなっているわけではなくとも、このような集団については大雑把な枠組みが組まれている。すなわち仮定的な「善人側」と、諸悪の根源とされる「他者」と定義されたものたちである。このような状況下では、説かれていることの現実性や歴史性ないし論理性以上に重要なこととして、あらゆることが両極化や(他者の)悪魔化、憎悪の媒体として利用される。「他者」はあらゆる意味において悪としてコード化される一方、それらに属さないものは神聖化された。」

■オスマン主義の皮をかぶった2016年モデルの専制政治

「よって、大衆に押し付けられているオスマン主義の言説とは、オスマン朝の歴史的事実や文明の視点、社会の一般的要請とは無関係に『想像上良い』とされていること、そしてここから外れるものを『カテゴリーとしての悪』に定義づけることである。寓話を参照したこのアプローチは、民衆に『夢のような救国の処方箋』として示されるが、一方では最悪の憎悪を掻き立てるものでもある。
『トルコに根差した国民的な大統領制』なるものも、本当は「オスマン主義」の皮をかぶった2016年モデルの専制政治なのだ!」


■イスタンブル征服祝賀は権威主義のカモフラージュ

イスタンブルの征服祝賀も、この文脈ではまるでオスマン主義言説のような権威主義のカモフラージュだ。ここで意図的に示され、象徴的に大衆に伝えられる「偉大さ」を違和感のないものとする唯一の条件とは、「カテゴリーとしての悪」の存在を誇張し、「拡大」することである。

■CHPとアレヴィー派への警告

そうだとすれば、AKPのプロパガンダが今後、「敵」の姿をしたものを作り上げ、両極化を深めていくことが予想される。AKPの方策は、権威主義を覆い隠す「オスマン主義の新秩序」に反対するCHPやアレヴィー派をはじめとするあらゆるグループを脅威にさらすことになるだろう。

■無計画な抗議は慎むべき

こうしたことからも、CHPをはじめ様々な反対勢力が「新プロセス」に関する代替的な分析を行うこと、独自の主張を構築できるような組織化モデルを見つけること、AKPの求める時でなく国民の利益となる時に、集団的な力を行使することが必要である。現時点では、感情的で無計画、準備不足な行動を慎み、プロアクティブに考えることが必要だ。

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:40606 )