■ファトゥワー庁はフロリダの虐殺を断罪:殺人の罪は神のもとではカアバ神殿を破壊することよりも重い。理由もなく人の命を奪うことは許されない。
エジプトのファトゥワー庁は、アメリカのフロリダ州オーランドで昨日、日曜に起きた忌まわしいテロ事件を断罪した。少なくとも50人の死者と53人の負傷者を出したが、これはテロ組織ISによるものとされる。
ファトゥワー庁がその声明で強調したのは次のとおりである。これらのテロ行為は、寛容なるイスラムの精神とはほど遠い。イスラムの精神においては、血を流すことは、聖カアバ神殿を破壊することよりも重大な罪なのだ。聖カアバ神殿は、イスラム教徒にとって礼拝の際に向かう方向を示すものであり、かつ聖なる神の家でもある。
さらに強調されたのは、これらの非難されるべき行為は、世界の前でイスラムとイスラム教徒の姿をゆがめてしまうという点だ。なぜならイスラム教徒であろうと非イスラム教徒であろうと、人間の生命の根源はその罪の無さであり、理由もなく人の命を奪うという暴挙は許されないからである。
聖なるコーランは正当な理由もなく人を殺すことを完全に禁じている。いと高き神はこう言われた。「正当な理由による以外は,アッラーが尊いものとされた生命を奪ってはならない。(訳注コーラン17:33)」それどころか、意図高き神は正当な理由なく人を殺すことを、全人類を殺すことと同じだとしている。神はこう言われた。「そのことのためにわれはイスラエルの子孫に対し,掟を定めた。人を殺した者,地上で悪を働いたという理由もなく人を殺す者は,全人類を殺したのと同じである。人の生命を救う者は,全人類の生命を救ったのと同じである(訳注コーラン5 :32)」
またファトゥワー庁は、テロはもはや国家に限らずすべての者を標的にしており、我々はこの迫りくる危険に対抗すべく、共に協力しなければならないと断言した。テロはイスラム教徒も非イスラム教徒も区別しないのだ。
この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:40673 )