第二教育省ができる?
2016年06月16日付 Cumhuriyet 紙
野党、教育学者の反発を生んでいる教育財団法案が国会総会の議案となっている。
教育財団法案第4条が、トルコ国会総会で承認された。同法案の承認条項では、イスタンブルに本部がある「トルコ教育財団」という財団が設立される。本財 団では、国外での学校前教育から大学教育まで教育すべての段階で奨学金を給付する;学校、教育機関・学生寮といった施設が開設される。国内も含め、本機構 で職を得る教員を育成する財団は、研究、開発を行い、出版、教育法の開発を行う。
教育財団は、必要な場合、その活動を、法人設立あるいは譲渡で実現出来るだろう。財団は、国内外での商取引若しくは資本会社を設立出来、譲渡、共同で事業を行える。
理事会、取締役会、監査役会からなる財団で、12名で構成される理事会が決定を行うことになる。理事会メンバーは、常任理事7名(4名は大統領、3名は内閣が任命)、国民教育省より代表2名、外務省、財務省、高等教育評議会の代表で構成される。
国民教育省が適当と判断するトルコ国外の公有資産は、閣議決定により、無償で財団に譲渡される。国民教育省予算より、100万リラを学校財団に投入する。
■野党は法案に反発
政府が国外のフェトフッラー・ギュレン学校に対する解決策として示した8項目からなる教育財団法案に対し、野党は反発を示した。
共和人民党(以下、CHP)は、法案が成立すれば、国民教育省の管轄外になり教育計画も公正発展党(以下、AK`P)寄りの宗教財団の指針・方針に委ねられると強調し、法案に反対している。CHPは、法案がタウヒード教育法に違反すると強調した。
人民民主党(以下、HDP)も、公的・無償サービスとして国民教育省が実行しなければならない教育が、民間企業の様な活動を行う財団に引き渡されるよう求められていると強調し、法案が憲法の「教育は、国家の監視・統制を受ける」原則に反していると明らかにした。
HDPは、学生が所得に応じて教育を受けることが出来るようにする趣旨の法案につき、「AKP政権が教育で追及する新自由主義の潮流は、この財団組織が財団自身を除外しているところに最もあからさまに表れている」と述べた。
理事会の構成にも反対するHDPは、イデオロギーがまさに大統領寄りの理事会も反対している点が注目されている。
民族主義者行動党は、野党による反発において、教育財団理事会を構成するメンバーが、大統領・内閣から独立して選ばれ、本部がイスタンブルではなくアンカラであるべきだと主張した。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
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