チュニジア:ラマダーンの賑わいとおいしい食事
2016年06月19日付 al-Hayat 紙

■チュニジアのラマダーン:賑わう市場と慈善活動

【チュニジア:サーリフ・ムハンマド・スウィースィー】

観きれないほどのチュニジアとアラブのテレビドラマと、食べきれないほどのラマダーンのテーブルを満たす料理の数々の間で、多くのチュニジア人にとっての毎年の神聖な月の日々が過ぎていく。このことは今年も何も変わらない。チュニジア人たちは大きな市場や商業スペースになだれこみ、すべてのもの、あらゆるものに群がる。それは、イフタールの食卓に並ぶおいしい料理、あるいは、自宅やチュニジアの町や村に広がる喫茶店で過ごす長い夜の夜食に関わるすべてのものである。そこでは、コーヒーや紅茶、さまざまなジュースが騒がしく飲まれ、特に水タバコが吸われる。水タバコはもはや男性の特権とはみなされない。

この月の最も重要な特徴の一つは、政府機関の勤務時間が短くなることであり、市民は他のどのときよりも政府機関の仕事の遅れに不満を述べる。その遅れは、勤務時間内の怠惰さ、ソーシャル・ネットワーキング・サイトでのネットサーフィン、あるいは、買い物で時間が取られることに起因する。これらすべてが公的な勤務時間中に起きているのである。

これらを除けば、チュニジアのラマダーンは、他のアラブ諸国におけるラマダーンと変わらない。ただし、特定の種類の食べ物に対する関心が高まることはある。たとえば、チュニジアが誇る「ブリーク」〔小麦粉の皮で具材を包んで揚げたもの〕や「ファリーク・スープ」〔熟す前に収穫され天日干しされた小麦=ファリークを具材に用いたスープ〕である。また、恵み深きラマダーン月には乳製品の消費が増えることが知られている。「ザラービーヤ」〔ドーナツの一種〕や「マハーリク」〔焼き菓子の一種〕は、北西部のベジャ市が有名であるが、セモリナ〔上質の小麦粉〕や小麦粉から作られ、オリーブ油で揚げられ、バターオイルをかけて、砂糖や蜂蜜に漬けられる。

カイラワーン市の人々は断食月の食事に銅の食器を用いるが、これは数世紀以上前にアグラブ朝の首都の住民が行っていた習慣である。また、カイラワーン市では、銃がラマダーンの象徴であり続けている。これは、他の都市ではすでに消えてしまったものだが、オスマン朝の人々により伝えられ、今日まで引き継がれてきた古来の伝統なのである。

(後略)

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( 翻訳者:桑田早季子 )
( 記事ID:40703 )