CHPトプラク議員「クルド版AKPがつくられようとしている」
2016年06月19日付 Hurriyet 紙

人民の民主主義党(HDP)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首ならびにアルタン・タン議員のあいだにある「世俗-宗教政党」議論が加熱する中、共和人民党(CHP)のエルドアン・トプラク主席顧問から興味深い発言が飛び出した。

トプラク主席顧問は、自身が用意した「クルド問題報告書」のなかで公正発展党(AKP)政権は、HDPを離れたイスラム系クルド人が参画する「クルド版AKP」を作ろうとしていると発言。トプラク主席顧問がCHPのケマル・クルチダルオール党首に提出した報告書の概略は次の通り。

「シリアのマンビジュ市での動向から、クルド民主統一党(PYD)-クルド人民防衛隊(YPG)がマンビジュをクルド連邦に含めようとしていることが見て取れる。つまり98Kmに及ぶマンビジュ国境線の支配はクルド人の手中に渡っている。北イラクのクルド系政治家メフメト・エミン・ペンジェウィニ氏は北イラク・クルド自治政府の行政首長メスド・バルザーニ大統領系メディア『ルダウ』に2日前、「マンビジュの次はジャラブルス、その後、クルドは地中海に出られる」と述べた。この発言は、北イラクおよび北シリアがもはや地中海への出口をみつけ、自治政府をもつ段階に至り、それを米露が支援しているということを示唆している。こうした事実を一つ一つ積み重ねてみると、イラクやシリアの北部で連合クルド政府が徐々に成立しつつあるといえる。

政府は、米国の支援を得たPYDがシリア北部で政権樹立を計画しているのに対抗して、シリア国内でPYDと対立しているクルド系グループの政権立ち上げを支援し、味方に取り込もうとしている。

この状況で、シリアでPYD以外の大小13ものクルド政党を取り込んだ、バルザーニ大統領の肝いりであるシリア・クルド民族委員会(ENKS)は、AKP政権からも支援を受けながら、PYD-YPGの欧州代表機関に対抗して、独自の代表機関を設けようとする計画を実行に移している。AKP政権が、クルドの活動の中にある、こうした反PYDの流れを支援し、バルザーニ大統領と同盟関係にある状況から、PYDが単独で北シリアで支配を強化するのに対抗する策に出たことが読み取れる。」

■「アルタン・タン議員の登場に要注意」

「クルドの政治動向のなかで、バルザーニ大統領とAKPの支援を得たイスラム主義者ないしスンニ派を重用する新たな政党の設立が準備段階にあるようようだ。シャンルウルファでの会議でPYDと対立するクルド系グループの方向性を議論する中、HDPからアルタン・タン議員が出てきたことはこの点で要注意である!この先クルドの政治運動で新たな分離・生成が話題となり、イラクとシリアでクルド人同士が分離し、衝突が生じ、次第にクルド版AKPグループが結成されていく、と予想すべきである。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:40706 )