■スマートフォンの近くで眠ること
【アンワル・ナアマ博士による寄稿】
スマートフォンはいまや、ベッドの中でさえ人間とともにある。ある研究によれば、スマートフォンを寝室に置くことはその持ち主に危険を及ぼす。それでは、スマートフォンとともに寝ることによって何がもたらされるのか。
コブレンツ=ランダウ大学の2人のドイツ人の研究者、ターニャ・ビアンカ・シュトループ氏とターニャ・アン=アリソン氏は心理学の専門家で、スマートフォン使用中毒を調査し、衝撃的な結果を導き出した。調査では14歳から20歳までの148人を対象として、スマートフォン使用とその持ち主の精神状態や眠りの浅さ、憂鬱感、不安や恐怖との関係性を調べた。
調査の結果は睡眠学の学術誌に発表された。これによれば、両氏は以下のことを発見した。調査に参加した青少年の75%が、眠りに入る直前の10分前までスマートフォンを使用している。また、23%がベッドの上にスマートフォンを置いたまま寝ており、およそ25%がソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)上で、もしくはショート・メッセージ・サービス(SMS)を通じてメッセージを受け取った後に覚醒を余儀なくされ、28%が1週間に1度か2度はメッセージを受け取った後に無理やり目を覚ましている。
同研究によれば、深夜までスマートフォンを使用する若者は、日中に休らぎを感じることができず苦しんでいる。これは十分な睡眠がとれていないためである。スマートフォンを気にして目覚め続けている人たちの大半は、それを自ら望んだかどうかにかかわらず、日中の疲労感に不満を抱えている。
スマートフォンのモバイルチップを開発したドイツ人化学者フリーデルハイム・フォルムホルスト氏が述べたことを心に留めておくべきだろう。これによれば、寝室で携帯電話を電源を入れたままにしておくことは、脳に深刻なダメージを与える原因となり、不安や睡眠に関わるさまざまな障害を引き起こし、さらに、長期にわたる免疫システムの破壊や、癌になる可能性の増加をもたらすのだ。
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( 翻訳者:中本明花 )
( 記事ID:40713 )