ロンドンに暮らすトルコ人の多くが、EU離脱の賛否を問うた国民投票の結果に懸念を示している。彼らは、外国人に対する敵対感情が増幅する恐れがあるとして、不安をあらわにしている。
長期にわたりロンドンでジャーナリストとして勤めているミフリサフ・サファ氏は、4か月に及んだ(EU残留を求める)キャンペーンの最後に出た今回の結果を残念に思っているとした上で、自身は移民であることから「残留」に投票したと述べた。サーファ氏は、「長いことイギリスで暮らす1人として、私もここでは外国人ですが、外国人が多くの件でイギリス人を踏み越えて行ったのを、とても残念にみてきました。またトルコという要素が、ここで大きな役割を果たしました。トルコがEUに加盟し、多くのトルコ人がどんどんイギリスにやって来るだろうと、彼らは考えたのです」と述べた。
英土女性協会の代表を務めるマーヴィシュ・フックス氏は、EU離脱の決定を非常に残念に思っているとしたうえで、「外国人にとっては悪い結果となりました。相当量のイギリス・ポンドが国外に流出しました。また何週間にも渡って離脱しうると、外資も国外に流れています。さらに私が残念でならないことは、ここに暮らすトルコ人の中にも、EU離脱に票を投じた人がいたことです。彼らも移民なのに」と述べた。
ロンドンで暮らし、長期にわたりアムストラッド社(公開有限企業、エレクトロニクス事業を担う)で代表を務めるキプロス系トルコ人、セヴギュル・オズコル氏は、EU残留票を投じたうちの1人だ。離脱という結果を酷く残念に思うと述べたオズコル氏は、以下のように話した。「子供たちの将来を思うと、また別の悲しみがあります。どんなときであれ、纏まるということは、単独でいるということよりも良いものです。離脱を決めた今、次は経済的困難が我々を待っています。」
1971年からロンドンで暮らす女性事業家のフンダ・アクサンオウル氏はというと、離脱の決定を支持している。アクサンオウル氏は、「(イギリスには)多くの失業者がいます。彼らの仕事を、ヨーロッパの人々が行っているのです。そもそもEUに加盟したことが間違いでした。イギリスは特殊な国で、ヨーロッパの人々はそれを見たがっていました。いま、我々の前には少々厳しい日々が待ち構えていますが、しかし決まったのですから、それだけのことです。けれども今、 またもう1つの問題があります。すなわち、アイルランドとスコットランドの独立についてです。連合王国制は、解体するでしょう」と語った。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
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