■アルジェリアはアイデンティティー無しで広がる都市の困難を味わう
【アルジェ:アミーン・ルー二ースィー】
「アルジェはスラムのないアフリカ第一の都市である」という数日前の発表は、建築様式という点において都市の不均衡さへの取り組みを伴うものではなかった。こうした建築様式は、アルジェやその他の都市から国民の都市的アイデンティティーを奪い、かつまともな生活条件を欠いたアルジェリア人の生活様式にそぐわない単なる「眠る場所」へと、都市を変えてしまった。
当局の発表は、メディアの多大な献身と国連の高官の出席を以て、首都の「スラム街」の撲滅の体裁を整えた。しかしこの発表は、建造美に配慮する代わりに、竣工された住居の数や数字に軸を置いたものであった。つまり建築技師たちは、住民が土地を共有できるための居住地区あるいは都市、ないしは住宅密集地に賛成しているだけでなく、他の地域とは区別される価値観や思考を生み出す特有の生活様式を反映させている。このことに従うと、建築様式は一つの国の中でも地域によって異なることがわかる。建造計画においてその美しさが考慮されなかったことで逸脱行為、暴力、精神に支障を来すといったネガティブな社会現象が広く発生した。その結果として、アルジェリアの諸都市は世界的に最下位に位置付けられた。具体的には、アルジェは住みにくい都市リストの中で(ワーストの)146位を占めたのである。
「単なる眠る場所」
アルジェリアのアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ大統領が都市化政策の失敗を認めていることは、彼の声明の中で暗に示唆された。その声明は、建築工学表彰式のインタビューに際して発表されたものだが、その中で「最近完成した住宅地はただの眠る場所である。」と述べられている。
(後略)
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( 翻訳者:明石華乃 )
( 記事ID:40742 )