エジプト:シリア人がカイロで過ごすラマダーン
2016年06月27日付 al-Hayat 紙

■カイロは「リトル・ダマスカス」を受け入れる……ラマダーンは故郷を想うシリア人を不安にさせる

【マリア・ザーイド】

「今年のラマダーンは、私にとって、ここカイロでの4度目のラマダーンになる。カイロは〔私たち〕シリア人を受け入れ、私たちを“この国の人間”であるように感じさせてくれた。」こうした肯定的な言葉により、約4年前にシリアの戦争状況から出国を強いられたシリア人青年のアフマド・ファゥワール氏は、聖なる月を迎える不完全な喜びを表現した。

ダマスカス市に生まれ育ったファゥワール氏は、エジプトの生活環境に慣れることに困難を感じていない。彼がエジプトに移動することを選んだのは、「全般的な気候、慣習や伝統の点でシリア人が生活するのにおそらく最も適した場所だから」だと述べた。

断食の月であり、祭りの月であり、宗教的な祝いの月であるラマダーン月に関して、、ファゥワール氏は、エジプトは彼と彼の家族にかつて行っていたラマダーンの諸儀礼を行うことを可能にしてくれたと感じている。しかし、シリアの包囲地域に留まる親類縁者に関する悪い知らせは、彼らの喜びを濁らせている。

「シリアの戦争状況は、私たちから聖なる月の喜びを奪い去り、食事や飲み物、家族の集まりといった私たちの最も素朴な慣習を行うことすら妨げた。恐れの感情が私たちにまとわりついている。治安状況はきわめて悪く、ラマダーン用食材の値段は、非現実的な数値にまで上がっている」とファゥワール氏は続けた。

このダマスカスの青年は、エジプトに暮らすすべてのシリア人と同様の困難に直面しているが、それでもなお安全で安定した生活を夢見て、困難を乗り越え、エジプトに到着してからの短い間にその夢を実現させようとしている。ファゥワール氏は、妻と3人の子どもとともにまっとうな暮らしができるように、カイロ東部のアッバース・アッカード通りにある商店で会計士として働き始めた。

(後略)

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( 翻訳者:松本悠里子 )
( 記事ID:40748 )