イラク:爆弾テロでイード自粛
2016年07月06日付 al-Hayat 紙


■爆発による犠牲者の追悼行列はバグダードの喜びを曇らせる

【バグダード:フルード・アーミリー】

泣き叫びながら自身の子どもを探している母親、あるいは、イード〔訳注:ラマダーン月終了後の祭日〕中に訪れる墓を作れるような遺留物を探している母親、そして近隣の病院で焼け焦げた遺体を調べる母親――。

いつもはよく知られたイードの光景が広がっているはずのカッラーダで、このような光景ばかりが見られる。カッラーダはバグダードの中で最も活気のある地区だが、普段とは全く異なった形でイードを迎えることになってしまった。

カッラーダの人々やそこをよく訪れる人は、ろうそくに火をともし、兄弟や友人や家族を失った場所で悲しい歌を歌い、他の人々と連帯して黒い衣服を身に纏う。今回の爆発は、イードの為の服や必需品を買いに行っていた数家族の命をすべて奪ってしまったが、たとえこれにより親しい人を失っていなかったとしても、カッラーダを訪れる人々はこのようにするのである。

このカッラーダ地区は、大きなショッピングモールやレストラン、カフェ、すばらしいホテルがたくさんあることで知られており、それによってバグダードにおけるイードの様々な催しの中心地にもなっているが、今年は喪に服すことを表明した。これに連帯して、他の地区でもイードを目に見える形で祝うことを取りやめ、衛星テレビ局や放送局も今年のイードの番組を中止して、喪に服し始めている。

この地区はバグダードの中でも、学派や宗派の差異にもかかわらず、住民が平和に共存していることでよく知られており、市内の高名なレストランや大規模なホテル、社交クラブの3分の2以上がこの地区に集まり、〔普段は〕イードの祝いを盛り上げている。

しかし今年のラマダーン明けのイードは、以前とは違うものになるだろう。多くの住民がイード中に予定されていた結婚披露宴を中止し、この犯罪の被害者たちとの連帯を示したからだ。

厳しい治安措置の下、室内ホールの中で慎ましいパーティーを行うホテルやレストランもある。元々は付属の大庭園で開催する予定だったが、事前にアラブ人ミュージシャンを押さえていたことに加え、チケットも予約されており、簡単に中止できないためだ。こうした事情により、主催者側は住民の感情を傷つけない形でパーティーを行うことに決め、よって室内ホールでの開催という運びとなった。

追悼用大型テントは、モスクにもフセイニーヤ〔訳注:シーア派宗教施設〕にもそれを設営する余地がなかったため、一部が狭い路地に立てられた。その中では、苦しむ声が今年のイード中、鳴り響くことだろう。慎ましやかな室内パーティーの音よりもかなり大きくなるかもしれない。こうしたテントの大半は特に、全員が亡くなった5~7人の家族や一緒に亡くなった友人グループのためのものであるからだ。犠牲者への追悼は一週間続く予定だ。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:40811 )