レバノン:イード・フィトルの礼拝
2016年07月08日付 al-Quds al-Arabi 紙


■メッカで行われたイード・フィトルの礼拝にサラーム首相とハリーリー元首相がサルマーン国王とともに参加。アウン代表はナビーフ・ビッリー氏を訪問し、ダール・ファトワーとアシーリー顧問訪問で慣行を刷新。

【サアド・イルヤース、ベイルート:本紙】

今週末のイード・フィトルまでの間、政治運動や諸問題の解決に歯止めをかける論争攻防は姿を消した。こうした政治運動や論争の攻防の中では、タンマーム・サラーム首相とサアド・ハリーリー元首相がサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王と聖なるメッカでイードの礼拝に参列することが注目されていた。

サラーム首相がサルマーン国王とフトゥール(断食明けの食事)で卓を囲んだことは、テロとの戦いにおいて、レバノン全体がサウジアラビアと連帯していると、同首相が強調する機会となった。このことは、イスラームという宗教が寛容であるというイメージを強く示すとともに、あらゆる形式や方法による過激な思想やテロ行為に対する拒絶を呼びかけるイードの説教によって強調された。レバノンのムフティーであるアブドゥルラティーフ・ダルヤーン氏は、ベイルートの中心部にあるムハンマド・アミーン・モスクで行ったイードの説教の中で、自己の安全だけ図ることを否定しつつ、テロに対抗することを呼びかけたのである。

祝福されたイード・フィトルの一日目は、首相がミシェル・アウン代表に対して変更や改正を優先的に積み重ねる日となったといえるし、このようなことが、ブドゥルラティーフ・ダルヤーン氏やレバノン議会議長のナビーフ・ビッリーの脳裏によぎっただろう。両者の訪問は表面上では祝い事として行われたが、深いところでは首相の正当性と繋がっていたのである。つまり、スンナ派の宗教的権威であるダール・イフター(トリポリ北部にあるムフティーの事務所)への訪問は、スンナ派の政治的権威であるダール・ワサト(ハリーリー元首相の事務所)による仲介をもって行われたのである。

(後略)

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( 翻訳者:宮下優奈 )
( 記事ID:40825 )