バイラム、トルコ全土で観光地はどこも大賑わい―40%値上げも
2016年07月08日付 Hurriyet 紙
トルコは今年もラマザン・バイラムに合わせて休暇に入った。緑の広がるヤイラ(牧草地)から海岸地域に至るまで、ホテルの多くはほとんど満室となった。早い時期に予約した人々は難を逃れたものの、直前まで予約なしだった人々は、人気エリアで「驚くべき価格」に遭遇することになった。いくつかの地域では、40%近くの値上げを飲み込むしかない人々も現れ、宿泊先を見つけられなかった人々は浜辺で夜を明かした。
今年に入りロシアとの間に発生した危機、シリアにおける戦争、またトルコでの爆発テロ事件で最も被害を被ったのは、観光業だった。特に海岸沿いのホテルはこれらを受けて閑散としていたし、休暇村の商店も観光客の少なさに苦戦していた。観光業は不振のまま今シーズンを終えると予想されていたが、しかし次々と良い展開が起き始めた。最初にイスラエル、次いでロシアとの関係で迎えた「雪解け」は、観光業に従事する人々の顔をほころばせた。しかし観光業は、真の幸福を、学年度の終了とバイラム休暇の到来で掴み取ったのだ。
■今の状態は?
地中海から黒海に、あるいは中央アナトリアからエーゲ地域に至るトルコ全土でバイラム渋滞が発生した。マルマリスでは宿泊するホテルを見つけられなかった人々が、海辺の砂浜にテントを立てた。黒海ではウズンギョルに向かう人々が、何キロメートルにもわたる列をなした。ジョージアのバトゥミに行くべく国境門に行った人々は、国境を越えるために5時間を費やした。こういった状況を観光業側はどのように受け止めたのだろうか?ホテルの混み具合はどの程度にまで達したのだろうか?バイラム直前に殺到した予約のため、価格は上昇したのだろうか?これらの質問を、観光業界を率いる人々に尋ねた。彼らは満室率に満足しているとしたが、休暇の計画を直前まで先延ばしにしていた人々は、予約が殺到したことから、早期に予約をした人々に比べ40%以上高い値段で予約せざるを得なかった。
■サプライズ(価格の高騰)も起こり得る
バイラムが観光業界にとってとても素晴らしいものとなったと述べるトルコホテル業協会のオスマン・アユク会長は、次のように語った。
「単にホテル業者にとってのみではありません、観光に関連する事業に従事するすべての人々にとって素晴らしい時期となりました。ホテルの部屋はほぼすべて満室でした。これは海岸付近だけの話ではありません。ヤイラでも、山々でも、すべての場所でそうでした。バカンスのためだけではなく、親戚を訪問する途中でホテルに滞在した人々も多く、多くの人が国内を観光しました。この最も大きな理由は、長期の休暇であったことでしょう。ベッドの数が限られる地方で、宿泊先を見つけられないという問題も発生しました。需要が高まり、ベッドの数に限りがある地域では宿泊費が高騰しました。以前からずっと繰り返しお伝えしていることがあります。それは、早期予約です。早い時期に予約をしなければ、天文学的な価格帯に遭遇することもあるのです。ぎりぎりで休暇をとることを決めるということは、(価格高騰という)サプライズにも懐を開くことを意味します。」
■北キプロス共和国とギリシャの島々が人気
トルコ観光代理店協会のバシャラン・ウルソイ会長は、バイラム休暇では、カッパドキアからトラブゾン、アンタルヤからボドゥルムに至るまで、多くの観光スポットが人々であふれたと述べ、こう語った。
「休暇プランをぎりぎりまで引き延ばしにしていた人々は、(早期に計画した人々と比べて)4割以上多くの額を支払うはめになった。観光スポット以外にも、ブルーツアー(訳注:様々なルートをめぐるボートツアー。地中海からエーゲ海、また近年ではギリシャの島々などもめぐることができる)にも多くの関心が寄せられた。海外では北キプロスとギリシャの諸島が人気トップとなった。犠牲祭の休暇に関しても、今のうちから発表がなされるべきだろう。休暇が何日ほどになるのか、国民は知っておくべきだ。そしてそれによって計画を立てなければならない。」
■この次を考えている
バイラムに伴い、ホテルからペンションに至るまで、かなりの施設が100%の宿泊率に達したことを強調したアランヤ観光経営協会(ALTİD)のブルハン・スィリ会長は、しかしながらこれは短期間の混雑であると語る。
「地元の観光客は基本的に、3-5日間の宿泊を好みます。バイラム休暇でも2つに分かれる状態が生じました。しかしバイラム以降に関しては、特にその状態に大きな変化はありません。ホテル業を営むものとして、ロシアからまた活発に観光客が訪れるよう、またヨーロッパからの予約が増えるよう望んでいます。実のところ我々は、このバイラムの次を考えているのです。」
70-75万人:バイラム休暇で、休暇地へ出かけたトルコ国民の数
80-100%:バイラム期間中に各ホテルが到達した客室稼働率
40%:バイラムぎりぎりになって休暇を決めた人々が、早期に予約をした人々に比べた支払った追加分の金額
■アヴシャで食料不足!
9日間に及ぶラマザン・バイラム休暇を楽しむ人々は、海辺の都市へと流れ込んだ。バルケスィル県マルマラ郡に属するアヴシャ島は、ほとんど足の踏み入れ場もないほどであった。冬季は2,500人ほどが暮らすアヴシャ島に、バイラム期間中は13万人が訪れたことが分かった。ホテルやペンションに空きを見つけられなかった多くの人々が、海辺の砂浜やモスクで夜を明かした。需要の増加に追い付けないパン屋では、パンを待つ人々の長い列が見られ、スーパーでは多くの食べ物や飲み物がすぐに売り切れた。相当な混雑に対し驚きを隠しきれない島の住民たちと商店の人々は、観光客らの要望に応えるべく尽力した。連日、イスタンブル海上バス会社(İDO)やブルサ広域市海上バス会社(BUDO)、そのほか民間企業の10艘近いフェリーボート、海上バス、高速船などが混在して往来するアヴシャ島では、夏季は浄水された海水が飲料水として使われている。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:40827 )