■マフムードとアビール……ヨルダンの最も小さな新郎新婦
【アンマン:ガイダー・サーリム】
最初の出会いからそこには愛があった。そして2年間会い続けたあと、マフムードとアビールは、ヨルダンで親戚や友人に囲まれながら結婚式を挙げ、夢を叶えた。
人々はマフムードとアビールの結婚式場に入ると、視線を下げ、少し身を屈めて、2人を祝福した。というのも、新郎新婦の身長はそれぞれ1メートルを超えないからだ。2人は結婚式への招待に応じた客たちの中に囲まれた。〔彼らの〕夢は、同じような状況に置かれた2人の出会いなくして、その実現は困難なものであった。
結婚式は、2人が巨大な黄金の籠に入ることから始まった。2人のまわりでは、歌やザガリート〔訳注:喜びを表すために女性が上げる金切り声〕、踊りの実演が止むことがなかった。その踊りは、低い期待しか持てなかった2人の喜びを表し、結婚式の空気に2人の興奮とハーモニーを映し出す高揚感を加えた。そのハーモニーは、マフムードとアビールが「スロー」なダンスを踊りだしたときに明らかに示された。そのときの2人には、その身の小ささによる不足も恥も一切感じさせない、完全な信頼感が備わっていた。2人はまた、伝統的なダブカの踊りの一団〔訳注:腕を組み合って一列に並んだ踊り手が足を踏みならす集団舞踊〕にも加わり、2人の結婚式が普通の結婚式の光景を何一つとして欠くことがないものであることを決定的にした。
社会の視線は、今回マフムードとアビールが結婚式を準備することを邪魔しなかった。むしろ、2人は結婚の喜びのときを疎外する可能性のあるすべてのことを気にかけないこと、そして、一瞬一瞬を愛と喜びに生きることを決めていた。他方、社会的な認識はすでに、彼らの夢を殺し、彼らを絶望の中に沈めても意味がないことを理解していた。同様に、社会的な認識は、2人を身長が制限された人々の模範とすることを選んだ。
(後略)
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( 翻訳者:桑田早季子 )
( 記事ID:40915 )