エルドアン大統領ーAKP,CHP,MHP党首らと首脳会議
2016年07月25日付 Cumhuriyet 紙
エルドアン大統領は、先のクーデターを受けて昨日24日、大統領官邸にてユルドゥルム首相をはじめ有力野党のクルチダルオール [共和人民党(CHP)党首]、バフチェリ民族主義者行動党(MHP)党首と一堂に会した。会合に国民の民主主義党(HDP)は呼ばれなかった。エルドアン大統領は野党両党首から「ようこそ、そして先日はご愁傷様でした」と声をかけられたほか、2時間40分に及ぶ会合では「平行構造」を国家から一掃するプ ロセスについての提案を受けた。
先のクーデター未遂を受け、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ユルドゥルム首相はじめケマル・クルチダルオールCHP党首、デヴレト・バフチェリMHP党首と初めてベシュテペ大統領府で会合を開いた。非公開で行われた会合は2時間40分に及び、エルドアン大統領は「平行構造」を国家から一掃するプロセスについて両党首からの提案を受けた。ユルドゥルム首相は「クーデターをやり過ごしただけでは危機を乗り越えたことにはならない」と述べた。 [CHPがクーデターに反対して行った]タクスィムでの集会について祝福したエルドアン大統領は、今回のような対話を継続させることの重要性を強調したという。
■大統領府訪問拒否に終止符
[大統領府について]「隠れ家宮殿」などと批判し、エルドアン大統領が中立性を欠いているとして大統領府への訪問を拒否していたクルチダルオールCHP党首は、「国家にとって必要な仕事」だとして今回の訪問を唯一の例外とした。同様に、MHPも公務以外で大統領府を訪問することを拒否していた。クーデター未遂を受け、エルドアン大統領の呼びかけを「国家にとって必要な仕事」と受け止めた二大野党は、「訪問拒否」に終止符を打った。
■エルドアン大統領から感謝の意
入手した情報によると、エルドアン大統領は、クーデター行為に対して両党が適切なタイミングで抗議したこと、並びに議会で示した連帯に対し、クルチダルオール及びバフチェリ両党首に向けて感謝の意を伝えた。各指導者は、拘束者及びクーデターで使用された軍用機及び戦車の数などについての詳細な統計的報告を受けた。 彼らは7月15日夜の経験をお互いに語り合った。
■マニフェストを提示
情報によると、クルチダルオールCHP党首は、前日に採択したタクスィム・マニフェストをエルドアン大統領に提示した。同党首は、クーデターの予防に影を落としかねない非合法行為を防ぐ必要性を強調した。「適材適所」とする同党首は、フェトフッラー・ギュレン派に対して講じられる対策に関して、特に「魔女狩り」と「何もかも一緒くたにしない」ことについても慎重であるよう伝えた。
■委員会の提案
CHPがかつて監視委員会を設置したことに触れたクルチダルオール党首は、同様の委員会を他の政党も設置できること、こうして危機を予防できると強調した。提案への反応は前向きだったという。
■トルコ国営放送(TRT)と憲法
クルチダルオール党首は、メディアの中立性がどれほど重要か、今回のクーデター未遂を受けて再び明らかになったとした。TRTは6年後になってやっとクーデターの影響から抜けられるとする同党首は、TRTが国の報道機関として中立で独立した報道をおこなうよう監視していく必要があると述べた。同党首はまた司法の独立に関して、「譲歩の道をもってすれば司法の独立を確保することはできる。国民議会でも前回の会期で60の条項で合意にいたった。裁判官・検察官高等委員会に関しても何かしらの施策を打てるだろう」と提案した。
■自己批判をすべき
クルチダルオール党首は、クーデターに至った過程で政府は自己批判をすべきとしたうえで、諸官庁で教団が組織化していることについて不快感を示した。
■尊厳の回復と任務再開
同党首は、エルゲネコンやバルヨズ、軍事スパイ裁判などの被害者についても言及した。彼らの尊厳を回復し、職務復帰の道を確保すべきだと述べた。
■デモの扇動について
また同党首は、「一刻も早く正常化を主張する一方で、デモの継続を扇動していることは適切と思えない」と発言した。
■譲歩が重要
会合後、CHPは「正常化への第一歩となる前向きな会合」という声明を発表した。クルチダルオール党首は会合後、「民主主義には譲歩が大切」と会合でも発した一言を述べた。
■エルドアン大統領とユルドゥルム首相:MHPを捜索した者たちの背後には彼らがいる
各指導者と情報交換を行ったエルドアン大統領とビナリ・ユルドゥルム首相は、「根本的な問題は、特に軍事学校を手始めに軍内部で彼らが力を持ったことだ。このクーデター未遂の中心にはギュレン師がいる」といると発言したという。
会合ではまた、「MHPとデヴレト・バフチェリ党首を捜索した者たちの背後には彼らがいる」と述べられ、MHP党首候補であるメラル・アクシェネル氏が対象とされたと明らかにされた。
■バフチェリ党首:政治的な暗殺行為も起こりうる
バフチェリMHP党首は会合で、MHPがこれまでクーデターによって何度も苦しめられてきて、「党としてこのような試みを支持したことは一度もない」と述べた。
また同党首は、「未だ逃亡中のクーデター派が残っている」としたうえで、この状況下では「戦略的な標的ないし人物に対して暗殺行為や妨害・破壊行為などの可能性がある」と述べた。「訓練」と騙されて町へ展開させられた兵士たちを引き合いに出しながら、「トルコ軍を疲弊させてはならない」と強調した。また、無実・無辜の公職在職者を不当に扱うべきではないとした。非常事態下でも国民議会が完全に無視されてはならないとも言及した。バフチェリ党首は、あの夜に露呈した諜報機関の脆弱性を示唆しつつ、 「クーデターの晩に落第した者ども許してはならない」と述べた。
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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:40946 )