CHP:トルコには平常が必要だ
2016年07月22日付 Cumhuriyet 紙
国会では、全土で3か月間の非常事態宣言を適用する法案が公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)の賛成で可決された。国会議員461人が参加した投票は、賛成346、反対115だった。共和人民党(CHP)と人民の民主主義党(HDP)は、自由の制限やトルコ国民議会 (TBMM)の権限が政府へ移行することに反発した。CHPの党派会議と中央執行委員会では「トルコに必要なのは、非常事態宣言ではなく平常だ」とする決定があった。
CHPは党派会議と中央執行委員会を国会で招集した。会議では、非常事態宣言へのCHPの見解を明らかにした。クーデターが国民の支持を得られなかったため、厳しい対策によってトルコを抑圧しない必要があり、また、必要なのは「非常事態宣言ではなく平常だ」とする決定に至った。会議では、イスタンブル選出のエレン・エルデム議員が党内に「非常事態宣言監視委員会」を立ち上げる提案をした。
■非常事態宣言法案がTBMMで可決
CHPは党派会議の後、中央執行委員会を招集した。クルチダルオール党首は非常事態宣言の適用を批判しつつも、クーデターに対しては政府を支持し、対抗するためのあらゆる環境整備について協力していくとし、国会初日以来、クーデターとその決行者に対抗する連立・連帯の中で必要な姿勢を明らかにしたと述べた。クルチダルオール党首は次のように語った。
「国民議会を素通りする意味となる非常事態宣言は、事態を収拾する方法ではない。この措置は、7月15日夜、4党が国民の意思を代弁するとして明らかにしたあの連立・連帯の精神すら蝕むものだ。ここで必要なのは、国会を機能不全にすることではなく、働かせることだ。クーデター鎮圧が発表されたのなら、法の原則の枠内に留まり国会を機能させ、全ての政党の支援を得てこの戦いを進めることが必要だ。」
CHPは、まず党会議を開き、その後トルコ国民議会議場で中央執行委員会を開催した。メディア非公開、ケマル・クルチダルオール党首を議長として始まった党会議では、クーデターの試みとその後一連の出来事、またタイイップ・エルドアン大統領が発表した3か月間の非常事態宣言について評価が行われ、CHPの立場が明らかにされた。
入手した情報によれば、この会議では国会議員がまず演説し、イスタンブル選出のエルデム議員が非常事態宣言監視委員会の設立を提案した。エルデム議員は、ベテラン議員、特に閣僚経験者が委員会に携わるべきだと話し、委員会の任務を「宣言に伴う各作戦が『魔女狩り』に陥っていないかを監視、評価し、世論に伝えていく」という形で定義した。党で委員会を設立するというこの提案には好意的な反応があった模様だ。
■民主主義を守る
クルチダルオール党首は会議の出口先で新聞記者の質問に応じ、「非常事態への投票に向け党の決定はありましたか」との問いに、「いいえ。民主主義のため党決定するものでしょうか、皆さん。我々は民主主義を守ります」と答えた。
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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:40963 )