イスタンブル広域市により、イスタンブルで、海路、線路およびバス路線の交通網を統合する目的で行われる「カモメプロジェクト」「カバタシュ乗り換えセンタープロジェクト」がスタートした。工事のため、カバタシュでは2年間、航路が閉鎖される。緑地を含む合計100,000平方メートルの計画場所で「かもめ」型の船着き場が占める面積は、わずか300平方メートルに限られる。船着き場の高さが景観を崩さず、かつ9.5メートルを超えないように、ドルマバフチェ・モスクから340メートル、フンドゥクル・モラ・チェレビ・モスクからは190メートルの距離に建設される。構造部分にコンクリート壁は全く使用されず、完全に透き通ったように見える予定だ。
路面電車とケーブルカーのシステムはしばらく現状通り、運行し続ける。当該場所への交通手段を提供する目的で循環路線が開始される。またそこから出るバスの数も増やされる予定だ。
■計画
諸大学や科学者の見解に基づき、2005年に建築家のハカン・クラン氏により計画されたプロジェクトは2008年に保護委員会により承認された。2009年に都市景観賞の候補となった。2010年には「最もよい乗り換え駅」賞を取った。20011年に承認されたプロジェクトの環境影響評価への申請がなされ、「環境影響評価は必要ない」と報告された。2016年にプロジェクトに地下鉄追加が決定された。専用線バス路線の地下化も決まり、全交通手段の統合がこの場所で提供されることが計画された。プロジェクトによると、地上ではこの地域に必要とされている広場がつくられ、海に完全に面し、排気から逃れ、海岸沿いの緑地帯は、途中で遮るものもない形状で、歩行者用に利用される空間となる。
このようにして、現在の1.5メートルの幅しかなく、何千人もの人が路面電車や船着き場に向かう、バス、路面電車、自家用車と鉄柵に囲まれた狭い歩道に押し込められている状態が、解消されることになる。
■ ショッピングセンターは建設されない予定
イスタンブル広域市により行われた説明によると、噂に反し、このプロジェクトにはまったく秘密にされている点はなく、当該場所でショッピングセンターやその他の投機的施設は建設されない予定だ。地上、地下には、乗り換え地点には必要なビュッフェ、軽食店、新聞売り場、カフェのようなこの地区と施設に必要なユニットが建設される予定だ。
■ 木は保護される
全ての木は大学により管理され、保護される。広場にはまた成長した木が追加される。この追加に必要な土の深さのデータの調べはついている。地区全体と海で全科学研究が汎用的に行われた。液状化、地震、海洋と海洋生物への影響、土壌や水の問題において大学教授たちは研究し、パラメーター化と計算を行った。21世紀に適した先進的技術とにより、工事の過程でも管理が続く。
■ 駐車して、進むことも
ボスフォラス橋に向かう車は指示表示に従い、この広場の地下に建設される駐車場へ車をとめて、航路を選択できるようになる。あるいは、ケーブルカーでタクスィムに行き、公共交通機関でアジア側へいくことができる。地下に建設される地下鉄、ケーブルカー、バスと、広場にある路面電車と波止場は快適な地下広場と地上メイン広場が簡単に全て統合される。
地上の広場には、車に邪魔されることなく近くに住む人が海に出られ、緑と歩道の帯と、長い快適な遊歩道や自転車道が配置される。このように、広々とすっきりした多目的な広場という形で建設される予定だ。
■工事期間中、どこから船便が運行される予定なのか
工事期間中、市内航路株式会社はカドゥキョイ・カバタシュ間、カタバシュ・プリンセス諸島間、各停車場停泊のボスフォラス航路を、ベシクタシとエミノニュ波止場から、IDO(イスタンブル海峡バス)はカドゥキョイ・カバタシュ間、カタバシュ・プリンセス諸島間運行をIDOのベシクタシとイェニカプ波止場から、デンツールユーラシア会社の協同組合はカバタシュ・ウスキュダル運行がデンツール。ベシクタシ波止場から、BUDO株式会社はカバタシュ・ブルサ間運行が必要な許可が取れ次第、エミノニュ波止場から実現化される。
■ 渋滞の原因となる車両はこの地区の道から排除される
このプロジェクトでは、工事方法と計画が長期間、研究された。それによると、工事は現存の交通網には影響しない。工事が交通に加える負荷はない。町と周囲環境に影響が出ないよう細心の作業が最後まで続く予定だ。プロジェクトが完成した時、すべての自家用車とバスは地下広場で、乗降用スペースに、快適に停車できるようになる。通行車両の排気ガスの影響をうけない。通過したり、乗り降りしたりする車両は同時に二方向に行けるようにする。このようにしてフンドゥクル・トプハネ間、またはドルマバフチェとスタジアムの周りをまわるために反対方向に動き、渋滞の原因となっている車両はこの道から排除される。
■ アジア側からヨーロッパ側へ歩いて渡れる
カバタシュは同時にウスキュダルへ、徒歩、自転車、あるいはタイヤつき簡易電車でつながる予定だ。特に、徒歩と自転車によって、町に長く新しい幹線路を作ることは、健康な生活文化にむけ、アジアとヨーロッパ要素の結合により、とても重要な革新をもたらすだろう。
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( 翻訳者:鈴木 唯 )
( 記事ID:41046 )