モロッコ:暴行被害を受けた少女の自殺
2016年08月22日付 al-Hayat 紙

■モロッコの暴行被害者の自殺は女性保護の仕組みに疑いを投げかける

【ラバト:ファーティマ・アーシュール】

モロッコのベンガリール市における少女ハディージャ・スウェーディーの自殺問題は、アラーイシュ市の少女アーミナ・フィーラーリーの自殺から生じた考えに起因する。後者の事件は、アーミナが、彼女を強姦した犯人との結婚を強いられたために自殺したものであった。そしてハディージャの事件が新たに起き、街頭抗議の声に火をつけた。その声の反響は議会に届き、刑法第475条第2項の削除に向けて議会を動かした。この第2項は、強姦犯が強姦被害者と結婚することを認めていた。これは、多くの犯人が刑罰から逃れるために選んだ選択肢だった。

16歳の春に殺鼠剤を飲んで命を絶ったアーミナの自殺と、今回のハディージャの死の間には4年の歳月がある。その間、多くの女性たちが怖るべき沈黙の中で死の淵に立ってきた。彼女たちには、自らを暴行した犯人をネットワークやカメラのレンズを通じて世間に晒す幸運などなかった。暴行を受けた未成年女子の自殺を食い止めたいという願いはあった。そしてアーミナの死は、同じ女性である他の少女たちの生にとって一筋の希望に変わった。法はかつて、女性の体を暴行する誘惑に負けた者たちすべてを守るために、その言葉を語っていた。しかし現実は痛みと混乱を増すばかりなのだ!

17歳の少女ハディージャは、勉強を続け、他人の病気を治す医者になることを夢見ていた。しかし家庭環境から彼女は貧しい家計を支えるため教育を離れることを余儀なくされた。父を持たない孤児であった彼女は、3度にわたり暴行を受けることになる。最初は、彼女が働いていた喫茶店の店員であった。その店で彼女は、その若い体をもてあそぶことを欲する客たちの醜い視線に晒されていた。その結果、彼女は15歳で妊娠した。次に親族の一人により強姦された。人手が足りないことと噂を恐れて、〔堕胎〕手術が行われた。それでも彼女は不満を述べなかった。

パンの一切れを探すための移動は続き、ついに昨年11月、彼女は8人の男たちから集団暴行を受けた。男たちは彼女を監禁し、性的・身体的に暴行を加え、その一部始終を音と映像で記録した。犯人たちは短い拘留刑を受けた後、彼女のもとに戻り、ビデオをばらまくと脅した。自ら行った〔堕胎〕手術の傷が癒える前に、その傷を治す人もいないまま、犯人たちが刑務所から出てきた。正当な扱いを受けてこなかったと感じた彼女は、自らの体に火をつけ、自ら得るべきものを得ることを決め、壊れた司法へ手紙を残した。裁判官は暴行の証拠を得ることの難しさを言い訳にして、裁判で暴行犯に重罪を下すことができなかった。

ハディージャ事件にモロッコの世論は反応し、人々はSNSを通じて広範な連帯を声にした。そして電子システム上で陳情を集め、人権団体や市民運動の怒りを後押しし、ベンガリール市の始審裁判所と法務省の前でのデモを動かした。

(後略)

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( 翻訳者:桑田早季子 )
( 記事ID:41096 )