ゴム塩湖に涸渇の危機―周辺の7州に忍び寄る環境問題(2)
2016年08月31日付 Iran 紙
塩水の流出と農業用井戸水の塩水化
シャフィーイー氏はこの湖の塩分濃度の上昇が地域の農地に与えている影響について、次のように述べている。
塩水の流出によって、農地の生産性は失われ、井戸水の極度な塩水化が進んでいる。そのために、この地域の周辺の村々からは住民がいなくなっている。というのも、この地域の住民の一部は農業で生計を立てているからだ。一方で、この塩水は農家らによってくみ上げられ、農地に灌漑されている。〔この水の〕塩分濃度が高いため、土地は栽培能力を失っている。
シャフィーイー氏は、塩湖の半径50キロメートルには村が一つも残っていないと述べ、〔‥‥〕この危機がゴム市街の方向にも及ぼうとしていることに遺憾の意を表明した上で、「もし現況が続けば、残存する村々からも住民がいなくなってしまうだろう。一方で、この湖を覆っていた植物もなくなり、荒野に変わり果てようとしている。そのため、土地の侵食が起こり、砂塵の供給源に変貌しようとしている」と指摘した。
首都民を襲う砂塵の危機
シャフィーイー氏はオルーミーイェ(ウルミエ)湖を襲っている危機が、ゴム塩湖にも及ぼうとしていると述べた上で、次のように強調した。
もし首都民が自身を悩ませている砂塵問題をコントロールしたいと望んでいるのなら、塩湖が置かれている状況のことに考えを向けるべきだ。なぜなら、この湖はテヘランにもっとも近い砂塵の供給源だからだ。もちろん、この湖の影響圏に位置しているその他の州も、それがもたらす危険から免れるための管理プログラムを提出すべきだ。
〔‥‥〕
渡り鳥への被害
シャフィーイー氏は、塩湖やソルターン貯水池の周辺に広がる湿原はかつて、多様な鳥を受け入れていたと述べた上で、「フラミンゴの巨大な一団が湖の北に生息していた。残念ながら、地下水の枯渇により、彼らも被害を受けている」と述べた。
同氏はまた、「多くの国が渡り鳥の存在を観光資源にしている。ところが、塩湖は多くのポテンシャルがあるにもかかわらず、この点でなおざりにされ、放置されてきた。最高の収入をもたらす可能性があるにもかかわらず、だ」と強調している。
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( 翻訳者:WTNB )
( 記事ID:41192 )