エジプト:革命期の女性アイデンティティの変化を描き出す
2016年10月03日付 al-Hayat 紙


■シェリーン・アブー・ナガーが革命期エジプトの女性アイデンティティの新たな姿を描き出す。

【アフマド・マグリビー】

おそらく、研究者シェリーン・アブー・ナガー氏の著書、『革命期エジプトの女性たち:ジェンダーと新たなアイデンティティーの所在(Women in Revolutionary Egypt)』(カイロ・アメリカ大学出版会、英語)を見て、まず目を惹かれるのは、カイロの壁に描かれたグラフィティから取られた表紙であろう。そこには「差別するな」と文字が書かれ、その上に女性の頭部を表す3つの絵があり、それぞれヒジャーブ、ブルカ〔訳注:原文ではブルカの語が用いられたが、エジプトでは一般にニカーブと呼ばれるもので、目以外を隠す顔覆いを伴う。向かって左側〕、そして何も髪を覆っていない姿を示している。

著者のアブー・ナガー氏は、カイロ大学で英文学と比較文学を教える教授であり、セクシュアル・アイデンティティ(アル=ジンダル、Gender)の主題を中心として、文学や文化に関する著作をアラビア語と英語で多数発表している。

本書表紙にグラフィティを選んだことについて、ロンドン大学東洋アフリカ学院のイラク系研究者であるナディア・アルアリー氏〔Nadje Al-Ali〕は、本書『革命期エジプトの女性たち』がエジプト革命運動が持つジェンダー的側面の分析に関わる従来の支配的言説を超えることに成功したとみなしている。アルアリー氏によれば、本書は現代エジプトにおけるジェンダーと芸術、政治の間の絡み合った関係に深く立ち入るものであり、身体と記憶の政治こそが「1月25日革命」後のエジプトにおける女性の地位向上に関するアブー・ナガー氏の分析の焦点であると指摘した。

(後略)

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( 翻訳者:江部七子 )
( 記事ID:41364 )