HDPの欠けた議会、10の問い
2016年11月09日付 Hurriyet 紙

HDPの共同党首と国会議員に対する捜査の後、議会は停会を決定した。その後、今後のプロセスで起こりうることに注目が集まった。

1、議会の動きにどのように影響するだろうか?
59議席持っているHDPの立法上のボイコットは、法的な方面からは委員会と総会の働きを妨げない。しかし議会が全議席の10パーセントを占める政党不在の中開かれることは、政治的合法性と民主主義的慣習の観点から論争の的になりうる。

2、国会議員資格ははく奪されるのか?
HDP議員は委任状や許可なく、総会に一ヶ月間のうち5日参加しなければ、トルコ大国民議会(TBMM)の議員資格をはく奪される。それには長いプロセスを要する。欠席している状態が確認され、憲法司法合同委員会で論じられるだろう。委員会で欠席による議員資格はく奪が決定され、総会で少なくとも276票で承認されれば、TBMMの議員を辞めさせられる。議長次第で、この規則は数年間施行されないことも、数週間以内で迅速に施行されることも可能である。

3、給料の支払いは停止されるのか?
逮捕された国会議員は、休職とみなされれば出席状況は求められない。過去に行政裁判所と会計検査院の見解に従い、エルゲネコンとバルヨズ裁判で逮捕された国会議員へ給料は支払われており、公職者の権利は認められている。しかし、一立法年の間に無許可で理由もなく議会を45日以上欠席すると議員の交通滞在費は3ヶ月間打ち切られる。しかし給料の大部分は収められる。海外から帰国しなかったり報告をしなかったりすれば、シュルナク県選出のファイサル・サルユルドゥズ国会議員とヴァン県選出ののトゥーバ・ヘゼル・オズトゥルク国会議員にとってもこの制裁が議題にあがるだろう。

4、職員はどうなるのか?
すべての国会議員には顧問、副顧問と秘書として3人の職員を働かせることができる。逮捕されている、もしくは出席しない国会議員が職員を働かせることに障害はない。

5、辞職させるとどうなるのか?
HDPの運営は未だに、「国民の心」とされる議会から退く決定を下していない。HDPのスポークスマンであるアイハン・ビルゲン氏はヒュッリイェト紙に対し、「すべてから退くことはできる。私たちからすれば、議論の先にあるものはすべてにおいて明らかである」と述べた。この構造は辞職の形でもって作用している。HDP党員たちは、辞職したならば、欠席した際のように総会で276票以上を得て承認されなければならないという条件は求められない。辞職した国会議員はTBMM議員の資格を失うため総会でも多数決で、つまり、出席者の半分以上の票で承認には十分となる。

6、補欠選挙は行われるのか?
28議席が空席であるならば、憲法に基づいて3か月間は補欠選挙が行われる。欠席もしくは辞職という形で少なくともこの数の国会議員が権利をはく奪された場合、空席の選挙地域で選挙が行われる。しかしその間に早期選挙の決定がされれば、総選挙まで1年となり補欠選挙を行うことはできない。

7、共同党主の代わりに選挙が行われるのか?
逮捕されている状態は、政党の党首であることには影響しない。しかしHDP運営は、逮捕されている共同党首の代わりに選挙を行うか行わないかを彼ら自身で考えなければならない。政党法によれば、「テロ行為」によって罰された者は、政党員とはなれない。10ヶ月間の懲役刑の判決を最高裁判所が承認しているHDPのフィゲン・ユクセキダア共同党主にとって、「テロのプロパガンダ」という罪は党員資格に影響するかしないかは議論となりうる。

8、ユクセキダア氏の有罪判決はどんな結果を生むだろうか?
最高裁判所は、「テロ組織の暴力的な方法を奨励する形でプロパガンダを行った」という理由でフィゲン・ユクセキダア氏に以前下された10カ月の懲役刑という判決を認めている。この承認決定が議会に報告されると、国会議員の職を解くためのプロセスが始まる。このために、総会で特別な投票は行われない。

9、議長は先延ばしにすることができるのか?
国会議員についての有罪判決が総会で読まれることには、時間の条件はない。過去にも何人かの国会議員が、彼らについての(有罪判決による免職の)承認決定がある一方で、その職を続けてその後に恩赦を得ることができている。

10、レイラ・ザナ氏の状況はなぜ違うのか?
「トルコ人」のかわりに「トルコ国民」と述べたため、国会での宣誓を無効とされたHDPのレイラ・ザナ議員は、議会に出席できないでいる。(議員就任のための)公式文書を得ているため議員の立場は認められているが、誓約を行っていないという理由で議職を始められていない。議長は、ザナ氏の給料を、今後誓約を行う可能性に注目しつつ、口座に預けている。議長は議会欠席の制裁をザナ氏に対していまだ行っていない。

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( 翻訳者:西田夏子 )
( 記事ID:41569 )