性的暴行罪の問題条項、撤回―抗議の勝利
2016年11月22日付 Hurriyet 紙


国会総会に木曜日に提出され、社会で反発を受けている、性的暴行罪を犯した被告人の刑の執行の延期するという条項が撤回された。タイイプ・エルドアン大統領がアナトリア通信社を通じて一昨日晩に与えた「政府は、社会のさまざまな層から来ている批判と意見に配慮する」というメッセージにより、政府の方向性は変わった。まず委員会に差し戻された「暫定第1条」を、その後完全に撤回した。ベキル・ボズダー法務大臣も「その話は終わった」と述べた。

性的暴行罪を犯した被告人が被害者と結婚すれば、刑の執行の延期するという法的是正は、4日間にわたる批判と集中した議論の後、取り下げられた。タイイプ・ エルドアン大統領は、一昨日にアナトリア通信社を通して伝えたメッセージで、「政府は、社会のさまざまな層から来ている批判と意見に配慮し、広範な合意の中でこの問題の解決することが妥当と思う」と述べた。ビナリ・ユルドゥルム首相も昨日の午前中、アタテュルク空港で行った記者会見で決定を発表した。ユルドゥルム首相は要約すると以下のように述べた。

■ユルドュルム首相:見過ごしにはしない

「我々は議会にある法の提案をした。突然何があったのだろうか、大変な騒動になってしまった。なんだったのか?『強姦犯に赦しが与えられる』。このようなことはない。野党に対しこの議題で和解を呼びかけ、加えて我々は『あなた方の意見があるならば、議題に挙げてください。この問題を解決しましょう』 と言った。残念ながら、我々の呼びかけを適切に受け止めず、同時にこれを政治的材料として扱うことを野党側は選び、とても重要な問題をまた無駄にした。加えてこの面で社会を混乱させることを部分的に成功させた。社会的合意を完全に得ること、我が大統領がこの問題で広範な合意を呼びかけたこと、そしてまた、野党に対し彼ら自身の意見を準備するために時間を与えるという点から、議会に提出した法案を我々は委員会に差し戻し、委員会でのあらゆる方面の意見にも配慮し、評価してこの問題を必ずや合意に至らせよう。これを見過ごしにはしない。こういった形の3800もの事件がある。そして彼らの何千もの子供がいる。」

■大臣はツイッターで発表した。

同時間に、ベキル・ボズダー法務大臣は、議論を生んでいる「暫定第1条」が委員会に差し戻されると発表した。また、ツイッターで「計画の残りの部分を法律にする。年齢の障害のために結婚できないため被害を受けている家族は、苦しみをよりよく説明し、政治的・社会的支援を増やしていかなければならない」というメッセージをツイートし、その後に差し戻された提案を国会議長府に送った。

■議会で投票は行われなかった。

いくつかの団体の提案に沿って新しい法案を用意している公正発展党(AKP)執行部は、これを委員会が議題とすると述べた。AKPのナジ・ボスタンジュ会派副代表は、「社会的な苦しみをこの種の挑発の材料にしてはならない。提案は差し戻された。明日この件が扱われる際には、ステレオタイプの批判ではなく、建設的な批判、この社会的問題の解決に向けた提案を受け入れる準備がある。実際、委員会のの手続きの枠内でこれらは判断される」と述べた。

ファトマ・ベトゥル・カヤ家族社会生活大臣も「我々は早期結婚に絶対反対である。人びとの間で生じた不満に配慮し、当該法的是正を社会的合意を得て実行するようにしたい」という発表を行った。

一条項が差し戻されたので法案全体についての投票は昨日行われなかった。委員会で条項が作成された後、法案が国会総会で投票を実施することを優先に作業が進められる。憲法裁判所が子供への性的暴行罪について過日下した棄却に基づき、法的な空白を生まないために、法案の他の条項が12月11日までに作成される必要がある。

■CHP党員のギョク氏:手中で爆発した

共和人民党(CHP)のレベント・ギョク副党首は、「ある晩の作戦で、皆に隠れて、ある者に対して殺傷に関する補償金の借金があり、その人物たちを救うために持ってきたこの法が手中で爆発した、と理解できる。我々は、国会で奮闘を続けていく、この恥ずべき法をゴミ箱に葬るまで」と述べた。

人民の民主主義党(HDP)のアイハン・ベルギン氏は、議会で野党のボイコットを見た大統領が性的暴行法に対し夜半に関与したと主張した。ビルゲン氏は「議会運営という点からすると、尊厳の破壊であっても結果は喜ばしいものである。大統領が夜半に議会に伝えた指示によってではなく、人々の意思に敬意を払ってこれが取り下げられたならよかったが。しかし、女性たちが我々に教えてくれたように、あらゆる勝利は社会が闘って手にしたものである、とわかっている」と述べた。

CHPのアダナ選出のエリフ・ドアン・チュルクメン国会議員も「これは国の女性たちが一緒に戦って得た勝利であり、これは女性の勝利なのだ」 と発表した。

■ボズダー大臣:その話はもう終わった

そして最後にベキル・ボズダー法務大臣は、昨日、予算審議の中で子供への性的暴行に関する法的是正についての議論に区切りをつけた。ボズダー法相は、「我々の提案を今日(昨日)委員会で持ち出して、トルコ刑法の「子供への性的暴行」に重い罪を与える第103条の中のこの項をなくして法律にする」と発表した。ボズダー大臣は、「すでにこの話はおわっている。社会がこの問題で異なる立場を明らかにしたので国民の声に耳を傾けた。法案の中のこの項を取り出し、その残りのもので国会に通す。この話はもう終わったのである。善意で行われたことにとてもネガティブな結果がでた。法務大臣として、早期結婚を訴える者ではない」と述べた。

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( 翻訳者:西田夏子 )
( 記事ID:41640 )