タイイプ・エルドアン大統領は、女性と民主主義協会(KADEM)が催した第2回国際女性と公正サミットでヨーロッパ諸国に対し「カプクレに5万人の難民が来た時、叫び出しましたね。トルコが国境を開いたらどうしようかと言い始めましたね。よく聞いてください。もしあなたたちが行き過ぎれば、この国境も開かれます。覚悟してください」と呼びかけた。エルドアン大統領はサミットの開会式で大まかに次のように語った。
■あなたたち全員がイエスと言えばどうなるというのか
「もし難民問題がなければ、これらの国で起こった悲劇が世界で報じられることはほとんどないでしょう。アイランちゃんに続きウムランちゃんが表紙を飾ったが、ではトルコだけでも3百万人以上の難民がいるこの世界の様々な場所で、この種の難民がいるこの世界で、問題はアイランちゃんだけなのだろうか。ウムラン君だけなのだろうか。そうではない。なぜなら現在世界で何百万人ものアイランちゃんが答えを待っているからだ。慈愛を待っているからだ。慈悲を待っているからだ。彼らに対して何か策が打たれただろうか。いや、なかった。
■中身のない脅迫には動じない
進展を挙げよう。『トルコをEUに入れるべきか、入れないべきか』だ。なぜだろうか。エルドアンは真っ当な説明をしている。集まり、30〜40人は出されたその議案に『ノー』と言い、400〜500人は『イエス』と言う。あなたたち全員がそう言ったらどうなるというのか。これまであなたたちが人道的に正しい行動をとったことはなかった。人に対してきちんと目を向けなかった。アイランちゃんたちが地中海の海岸に打ち上げられた時、あなたたちはここへ来て助けなかった。あなたたちがウムランちゃんたちを助けに来ることはなかった。300万人、350万人の難民をこの国で養っているのは私たちだ。あなたたちは約束したことを実行しなかった。カプクレに5万人の難民が来た時、叫び出しましたね。『トルコが国境を開いたらどうしようか』と言い始めましたね。よく聞いてください。もしあなたたちが行き過ぎれば、この国境も開かれます。覚悟してください。このような中身のない脅迫を私は何とも思わないし、トルコ国民も何とも思わない。このことを理解してください。
■ここには公正さはない
もう十分だ。この騙し合いは十分だ。常任理事国5カ国が来て『今こそ国連の改革が必要だ、更新が必要だ』と言うのは勝手だ。全て常任理事国となり、非常任理事国は無くなるだろう。あらゆる宗教、あらゆる大陸の、あらゆる人種の代表が生まれるだろう。常任理事国5カ国は自分たちの大陸を代表している。他の大陸の代表はいない。そこにイスラム教徒の代表はいない。イスラム教徒の悩みは誰が説明するのだろうか、主張するのだろうか。この状況から公正な判断は下されない。公正というものは隅に追いやられるような概念ではない。
■彼らを恐れてはいけない
世界は5カ国だけではない、もっと大きいのだ。これを皆で一緒に主張しなければならない。彼らを恐れてはいけない。残念ながら私たちがこのようなことを言っていると、どこぞの国は何と言うだろうか。このように考えていると結果が得られないでしょう。永遠に恐怖とともに生きるよりも、一日でも男らしく生きてみましょう。ただしここで女性の責任は問うていない。差別はしていない。恐れて黙れば私たちの子孫に対しても未来に対しても恥ずかしい。私たちは、世界は5カ国だけではない、もっと大きい、と言って歩み続ける。
■脅迫している、哀れな者たちを見よ
EUに対して警告する中、トルコ国民と全ての人のために私たちが続けてきたこの公正さの闘いの代償は私たち自身やトルコが払うということになると良く理解している。しかし残念ながらトルコの最大野党のトップは『これは制裁だ、また別の制裁がこれに続くだろう』と言って脅迫している、何と哀れなことか。53年間トルコにEUの門を開かなかった国々は、制裁をしていると言うのか。もし制裁だとしたらどうなっただろうか。私たちは破滅しただろうか。終わっていただろうか。いや、ちゃんと立ってきた。この14年間でトルコをどれだけ発展させたかは明白だ。これからもきちんと立ち続けるし、私たちの道を歩み続ける。」
■エルドアン大統領はこの精神に反する独裁者
タイイプ・エルドアン大統領は式の後、サンジャクテペに向かい、ハジュ・ファトマ・フィトナト・ハヌム・モスクの開業に立ち会い、金曜礼拝を行なった。エルドアン大統領は、その後サンジャクテペに建設されたネジメッティン・エルバカン教授の複合施設の開所式にも出席した。ここでのスピーチではEUの交渉中断に関する決定を批判し、次のように述べた。
「あなたたちはこれまでも53年間この決定をとってきたのではないですか。53年間も。この決定に手を挙げた国々、反対した国々、賛成した国々。皆さんは数に注目するでしょう。反対は36です。賛成した国は何と相当多いらしい。よく考えてください、皆さんが独裁者と呼ぶエルドアンは、こうした精神に反対する独裁者だ。しかし誠実な者たちに対しては優しく、慈悲深いのだ。」
■「幼い頃に結婚する文化は変わるべき」
エルドアン大統領は昨日妻のエミネ・エルドアン夫人とともに「女性と民主主義協会(KADEM)」と家族社会政策省の共催で行われた第2回国際女性と公正サミットの開会式に出席した。エルドアン大統領のスピーチは拍手喝采を受け、多くの参加者は携帯電話で写真を撮った。サミットの集合写真が撮られる際、一人の若者が舞台へかけ上がり、エルドアン大統領に抱きついた。
エルドアン大統領のここでのスピーチの中で特に注目すべき内容は次の通りだ。
「議論の中で私が注目していたこの法改正案が十分に注意深くまとめられておらず、不明確なために悪用を被っているが見受けられた。このため、社会の要請に応えるため講じられる然るべき措置に想定外の横やりが入らないよう、より慎重に検討されるべきだと主張した。トルコ政府や国会、さらに社会にこの法改正を今の状態で出すより、より多くの理解を得るべきと薦めた。
■多くの理解を得て進む
トルコ政府もこの方向で必要な策を打ち、改正案の撤回を決定した。多くの理解を得て再び国会に提出されると信じている。
政治のメカニズムと政治家の責任の下で活動する機関は、もちろん問題解決の場であり、問題解決の役目を担っている。我が国で法定年齢未満での結婚やそれによる窮状が問題となっているならば、解決のために必要な策を必ず打たないといけない。この措置はまずは社会・文化的意識を高めることに向けられるべきである。
■社会における理解の変更
もし法定年齢未満での結婚の文化が現存するのなら、皆さんは好きなだけ法令を作ってください。好きなだけ処罰してください。これを妨げられません。つまり、まずは社会においてこの理解を変えるよう周知させる必要があり、そのための策を打たなければならない。この役目は、政府や国だけでなく、民間団体、メディア、各家庭にもある。特に強調したいのは、法習慣、慣習、伝統における女性の搾取に関するものは全て、私たちの信仰や古い文化に反する要素である、と信じている。
■女性に対する不当な処遇
この間違いを摘み取り、修正し、変更することが、私たち全員の共通の役目である。立法・行政・司法組織、民間団体がこの枠組みの中であらゆる努力を見せるこ とが条件であり、それが実行されると信じている。しかしこの際に私たちの闘いの原則を正しく据えなければ、搾取を促し、合法性を抑えつける状況に陥る危険もある。トルコ政府とこの分野を担当する官民の全ての機関には女性に対する不当な処遇との闘いについてまず原理を正しく設定してほしいと期待している。」
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:41660 )