■危険に脅かされつつあるヨーロッパの地図: 次なる攻撃の標的となったバルカン諸国
【国際: ムハンマド・エム・アルノー】
11月16日、アルバニアとシリアにいる「イスラーム国」構成員間の連絡組織をコソボ警察が逮捕したと発表した。同組織は11月12日土曜日にアルバニア中心部で開催されたアルバニア対イスラエルのワールドカップ予選に対してテロ活動を画策していたという。イギリスの『Daily Mail』紙は各国の治安と社会の暴力の度合いに基づいて色分けされた新しい世界地図を発行したが、その地図ではバルカン諸国が最高水準から最低水準まで、治安レベルを表す全ての色を網羅していることがわかる。
2018年に開催されるモスクワ・ワールドカップの予選であったアルバニア対イスラエル戦の直前、治安当局は「イスラーム国」が試合中にテロ行為を計画していると発表した。この試合は保守的なムスリムが住民の大半を占めるアルバニア北部の町・シュコドラにある競技場で行われる予定だった。
メディアの詳しい報道によると、攻撃は爆弾と機関銃で実施されることが計画されたという。さらにこの作戦は「イスラーム国」の軍隊のコソボ人司令官であるラブドリム・ムハージリーとリドワーン・アーキフィーが要請したもので、両名はテロ作戦の実行者とスカイプ上で連絡をとり攻撃を計画したという。要求は「不信仰者の殺害」と明白であった。また両司令官とコソボの「イスラーム国」の構成員の間で接触があったことも明らかとなった。接触者の中にはアルバニアのイマーム、ジャザーイル・フィーシャティー、イマームのガンスィー・バーラー、ブーヤール・ヒースィーがいた。この3名は後に逮捕された。
このテロ計画の早期発覚を受けて試合の安全確保を図るために非常事態が宣言された。これに伴い試合場はアルバニア中心部、ティラナ空港近くの町・エルバサンの競技場に移った。そこでは治安部隊が先行してイスラエルチームを警護し、交通規制を敷くなどの例外的な治安措置が講じられた。試合は平和裏に進み3対1でイスラエルが勝利してゲームが終わると、コソボ治安当局は直ちにテロ計画関係者9名を逮捕したと発表した。発表の中でコソボ当局は隣国マケドニア共和国との地域協力、そしてイスラエルと国際協力があったと言及した。なおイスラエルはコソボを承認していない。
こうしたテロ活動に関連して、コソボ国内における「イスラーム国」構成員の存在と「反セム主義」、ユダヤ人に対する敵意、反ユダヤ人感情の扇動行為の増加を関連づける人たちが見られる。彼らは世界で起こる全ての悪事にユダヤ人が関わっているという陰謀論について語る著名な書籍の翻訳と出版を通じて両者を繋げている。
(後略)
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( 翻訳者:江部七子 )
( 記事ID:41672 )