レバノン:ヒズブッラーがファイルーズの歌の放送を禁止
2016年12月05日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ヒズブッラーがレバノン大学構内でファイルーズの歌の放送を禁じたことから激しい怒り
■レバノンのアイデンティティと伝統に反する命令の実施の企てへの広範な抗議
【ベイルート:サアド・ヤース】
SNSは短時間で非難と否認の声で騒然となった。ヒズブッラーの教育部門が、レバノン大学工学部の構内でファイルーズの歌を放送することを禁じたからだ。工学部キャンパスは〔ベイルート〕南部郊外のハダス地区にある。禁止の理由は、歌を聞かない人もいるから、というものであった。
これは、学生たちが今年10月23日に交通事故で亡くなった同級生のムハンマド・ハマーダの誕生記念式のため、故人の好きだった歌を放送しようとした際に起きた。この式には悲嘆に暮れる故人の母親も出席し、学部長の許可を得てから工学部の中庭において行われた。
ヒズブッラーの学生による拒否は、すでにフェイスブックやSNS上での反対運動を引き起こしている。これには政治家やメディア関係者も参加し、いかにしてファイルーズの歌が禁止され〔る一方で〕、アーシュラーを記念する宗教儀礼の実施やイラン・イスラーム共和国の最高指導者アリー・ハーメネイー師を支持するスローガンを叫ぶことが許されるのか、と疑問が呈された。
この流れの中でハッシュタグ「#誰が_禁止する」が作られ、ツイッター利用者たちはこれを通じて、ヒズブッラーの行為に対する憤りを表明した。また、未来連合の議員ハーディー・ハビーシュ氏は、「レバノン大学の構内でファイルーズのような偉大なアーティストの歌を禁止するとは、非常に不名誉なことだ」との見解を示した。
ツイッター利用者の一人は、「ダーイシュ〔IS〕的なヒズブッラー民兵がレバノン大学の学生活動の中でファイルーズの歌を禁止している」と記した。加えて、「この民兵がリベラルな学生たちにハーメネイー的なラトミヤ〔嘆きから顔を叩く音を伴う聖歌〕を歌わせるのは不可能だろう」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:41708 )