エジプト:カイロの教会爆破事件の裏
2016年12月14日付 Al-Ahram 紙


■カイロの爆破事件の裏側にある秘密

【ヌハー・シャルヌービー】

12月11日の日曜日にカイロのアッバースィーヤ地区にあるマルコスィーヤ〔マルコ〕大聖堂横のブトゥルスィーヤ〔ペテロ〕教会を標的とした爆破事件に、私たちは皆驚愕した。この事件の結果、26名が死亡し、49名が負傷した。私たちが衝撃を受けた理由は、治安レベルが最高水準にある場所が〔テロに〕屈したことにある。同様に、わずか2日前にはピラミッド地区のモスクの外にある警察官の詰め所が標的にされ、警察関係者6名が殉職し、市民3名が負傷した。

すべてのことが捜査の対象になるだろう、と多くのキリスト教徒が答えている。誰一人として、電子ゲートや自動検査を通過せずにこの教会に入ることはできない。しかし、教会での鑑識捜査を率いるサムーイール・マタヤース〔サムエル・マティア〕博士によれば、爆発は日曜のミサの最中に、教会内部で起きたものなのである!!

大統領による公式発表によれば、マフムード・シャフィーク・ムハンマド・ムスタファー(22歳)が大聖堂横のブトゥルスィーヤ教会の爆破事件の実行犯と示唆されている。また、爆破は自爆ベルトを使用したもので、これを着用した同テロリストが教会内で自爆したものと見られる。私〔筆者〕がこのコラムを書いている時点で、スィースィー大統領は男3名と女1名を逮捕し、残りの容疑者に関する捜査を続けると発表している。

この発表により、「ハスム」〔ハラカ・サワーイド・ミスル“エジプトの翼運動”の略称、イスラーム過激派の武装組織〕は、ブトゥルスィーヤ教会爆破の実行犯の嫌疑から逃れることができた。しかし、同組織は、先週金曜日のピラミッド地区での爆破事件の実行責任を宣言しており、過去に検事総長補佐やムフティーの暗殺未遂事件〔現職の検事総長補佐ザカリヤー・アブドゥルアズィーズ氏を狙った9月の事件と元・国家ムフティーのアリー・ジュムア氏を狙った8月の事件〕への関与を明らかにしている。

確かに、カイロでの最近の爆破作戦の大半に犯行声明を出しているハスム組織について、私が伝えることができる、証拠にもとづく正確で信頼できる情報はない。しかし、私たちはともに、以下の点に着目すべきである。ハスムと呼ばれる組織はブトゥルスィーヤ教会爆破事件への関与を否定したが、法医学当局の情報筋によれば、同局は、事件における重大な道筋を捜査している。同局は爆発の種類と威力を明らかにするために爆発物の素材のサンプルを採取するため爆発現場に赴き、この点に辿りついた。それによれば、教会爆破に用いられた爆発物の素材は、その中にボールベアリングが用いられていた。これは、先週金曜日にピラミッド地区での爆破事件で用いられた爆弾とよく似ているのである……。同様に、ブトゥルスィーヤ教会の爆破事件における初動捜査は、犯人たちが先週金曜日の朝ピラミッド地区で起きた爆破事件と同じ方法を用いていたことを示唆している。ピラミッド地区での爆破事件では、警察官6名が殉職し、市民3名が負傷した。

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:41762 )