パレスチナ:ベツレヘムでのクリスマスのミサ
2016年12月25日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ベツレヘムの「夜半のミサ」は寛容と和解を呼びかける
【ベツレヘム:アナトリア通信】
ピエルバッチスタ・ピッザバッラ〔訳注:Pierbattista Pizzaballa, 1965-〕大司教は、土曜日の夜半(日曜日の朝)に西岸地区のベツレヘム市南部にある聖誕教会で行われた、西暦でのクリスマスを祝う夜半のミサでの説教の中で、人々に「お互いに対する寛容と和解」を呼びかけた。
ラテン教会〔訳注:ローマ・カトリック内部の独立教会〕のエルサレム教区長であるピッザバッラ氏はその信徒に対し、次のように述べた。「我々は新しい道を歩み始めるよう招かれています。昨今、我々は皆、安全や信頼がないこと、希望が何度も繰り返し挫折すること、暴力が止まないこと、多くの演説が多くの者を扉の後ろで活動することを強いていることを感じ、こうした事態の犠牲者となっています。」
続けてこう述べた。「我々の中に、そして世界中に、家の扉や国境に見知らぬ者が訪ねて来ることへの恐怖があります。閉じられた扉と封鎖された国境、これらは政治的選択です。そうです。しかし本当のところこれらは、我々の時代において、そして世界中で、死の支配力が生み出す恐怖を表しているのです。」
「聖地では今も正義や寛容がさらに渇望され、真実や信頼できる愛がますます切望されています。そして我々はまだお互いを拒否し、お互いを理解しないまま、自分達しかこの世に存在しないかのように生きています。」
「クリスマスは、和解を求めるすべての仲間たちに、喜びと平和の知らせを運んできます。そして我々が敵対のイデオロギーを兄弟の対話に変えられるようにしてくれるのです。」
厳しい寒さにもかかわらず、聖誕教会には何千人ものアラブ人と外国人のキリスト教徒が参列した。
「ミサ」には、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領やラーミー・ハムダッラー首相、政府閣僚や指導部のメンバー、アラブや外国の外交官たちも参列した。
マフムード・アッバース大統領は、ミサの前に、ベツレヘム滞在を祝う祝賀会の中で、パレスチナの被占領地における入植地建設停止をイスラエルに求めた安保理の決議は、パレスチナの法的問題が解決したことを意味するのではなく、交渉への扉を開いたということなのだと述べた。
(後略)
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( 翻訳者:本田美紅 )
( 記事ID:41840 )