メルスィン県で先日起こった洪水は、すべての街で生活に悪影響を与えており、農地に最も大きな打撃を与えた。
特に温室農業が行われているアクデニズ郡とタルスス郡では、ほとんどすべての農地が洪水の影響を受けた。メルスィン(地中海)農業会議所ジェンギズ・ギョクチェル会頭は、次のように語った。
「トルコの生鮮野菜と果物のおよそ10%が生産されるこの2地域で、合計6万デカール(訳注:6千平方メートルに該当)に広がる温室農業地帯のほぼすべてが水没した。これらの土地では、トマト、ピーマン、きゅうり、ズッキーニ、なすが栽培されていた。季節労働者を含めると、5万人から6万人がこの地域で働いている。特に冬の間は、トルコで消費されるトマトとピーマンの半数近くを、この地域が生産している。しかし、立て続けに私たちの地方で起こる水害が、農家を困難な状況に追い込んだ。2016年に起きたロシアとの関係危機のあと、生鮮野菜、果実が輸出されなくなったため、メルスィンの農家は借金を払えない状況になっていた。この水害で状況はさらに悪化した。政府にはメルスィンの農家への支援を期待する。」
■被害額は500万トルコリラ
メルスィン県でアクデニズ郡に次いで洪水で大きな被害を受けたのはタルスス郡で、ここでも状況は決して良くない。タルスス農業会議所のアリ・エルゲゼル会頭が提供した情報によれば、タルススだけで、農地における被害額は500万トルコリラにのぼった。2万デカール(2千ヘクタールに該当)の土地が水没したことを強調するエルゲゼル氏は、「作物を救う努力したが、成功しなかった。野菜生産だけで生計をたてている人が多くいる。私たちの土地では、ズッキーニとナスが栽培されていた。」と話した。2001年にも似たような水害が起こったことを明らかにしたエルゲゼル氏は、以下のように語った。「私たちの地域は平均海面より下にある。このため、水の流れを作る水路が良く整備されている必要がある。2001年に起きた水害のあと、我々は水路の欠陥について説明した。2017年になるにもかかわらず、何の対策も行われなかった。これも水害が広がった原因と言える。地域自体の改善が必要だ。」
■小麦も影響を受けた
ジェンギズ・ギョクチェル氏は、メルスィンは、生産という観点から最も重要な地方の一つであると述べて、以下のように話した。
「温室農業の他にも、ネギやほうれん草、クレソンなどの作物も栽培されていた。穀物も被害を受けた。小麦は芽が出ていたが、水が長時間残れば腐ってしまうかもしれない。トロスラルで溜まったすべての雨や雪水は、私たちの地域を通って海へとたどり着く。これも私たちに影響を与えている。農家の人々は去年から今まで、クレジットや借金の返済に苦労している。借金することで、借金を支払っている。もし国が支援しなければ、この地域の農家たちが立ち直るのは難しいだろう。」
■上空から撮影
メルスィン県オズデミル・チャカジャク知事は、洪水被害に遭った地域と、行方不明者の捜索活動を上空からたどった。チャカジャク知事は、アクデニズ郡のカザンル、アダナルオール地区においても水没した農地を上空から調査した。調査の間、非常に広い土地および温室が水没しているのが、カメラで撮影された。農地からの水の排出のために、政府の水道局職員が集中して調査を行っていることが明らかにされた。水の排出のため、もともと地域にある7台と、追って輸送された7台、全部で14台のポンプで作業が行われているという。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:大畠梨紗子 )
( 記事ID:41882 )