パレスチナ:イスラエル刑務所のパレスチナ人少年囚人
2017年01月01日付 al-Hayat 紙
■イスラエルの刑務所に入れられるパレスチナ人の少年たち
【ウィサーム・ムハンマド】
占領下のパレスチナでは、インティファーダ世代に対する悪意のある治安取り締まりの一環として、パレスチナ人の少年が次々に逮捕されている。イスラエル占領軍は、2015年10月初めから2016年2月までの間に、11歳から17歳の少年を800人以上逮捕している。
占領軍は少年たちを拘束した瞬間から数多くの虐待行為を行っている。それは、激しい殴打に始まり、罵声や侮辱的な言葉を浴びせ、脅迫し、ひどい恐怖を与え、圧力や脅迫の下で自白を引き出そうとし、長期間飲食を与えずに放置することである。
今年はこの少年囚人問題に関して多くの変化が見られた。その中には、組織化された逮捕運動による逮捕者数の増加や差別的な法律や法案の採択が挙げられる。占領者〔イスラエル〕の裁判所は少年に対する厳罰を伴う判決を下しており、終身刑にさえ及ぶものもある。
少年囚人問題の中で最も際立つのは、イェルサレム出身のアフマド・マナースラ君(14歳)の事例である。彼は、占領軍兵士の一人を刃物で刺そうとした疑いで逮捕され、丸1年の勾留の後――それは残忍な暴力で始まり、暴力はその後も続いたが――、2016年11月17日に12年の懲役刑を下され、さらに「賠償金」として4万8千ドルの罰金を科せられた。同様に、ムンズィル・アブー・マイヤーラ君(16歳)とムハンマド・ターハ君(15歳)の二人は11年の懲役刑と「賠償金」として1万4千ドルの罰金をそれぞれ科された。また、拘束中の若者ファドル・トルクマーン君(17歳)は5年の懲役刑を科されている。
これらの裁判は全て先月行われた。占領者の刑務所に拘束されている少年の数は350人に達し、その内104人は12歳から15歳の年齢である。この数は、2008年にイスラエル刑務庁が管轄下の刑務所に拘束されている少年の数を発表し始めて以来、最も多いと言われている。
また、占領軍は、ジュネーブ条約(第四条約)に反して、占領下のヨルダン川西岸地区にある刑務所に拘束されている少年の約60%をイスラエル内にある刑務所に移送している。このことは、少年の家族がイスラエルに入国するための許可証を入手できないことから、家族との面会を制限することを意味している。
イスラエルは、毎年約700人の子どもを組織的に軍事法廷で裁く世界で唯一の国である。2012年以降、イスラエルは平均して毎月200人のパレスチナ人の子どもを逮捕している。また1967年以降、ヨルダン川西岸地区において、二つの全く異なるシステムを適用し続けている。一方で〔イスラエル人〕入植者には民法と刑法に従うことを許可し、他方でパレスチナ人には軍法に従うことを強制しているのである。
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( 翻訳者:森山花彩 )
( 記事ID:41896 )