■倫理こそが解決策(1)
【イヴァーン・アリー・オスマーン・ズィバーリー】
混乱が、文明という秩序の中にある人間生活の全てを荒廃させる時、そこには何らかの欠陥が存在することを意味する。この制度を機能させるために、文明と人間には、多くの要素が断じて必要である。なぜなら、たった一つの要素が欠けただけでも文明というものは崩壊してしまうからである。その結果は、現世を見れば一目瞭然:血は無駄に流れ、飢餓は広がり、貧困、悲惨、迫害があらゆる民族を破滅へと導いている。現在、全ての土地で起きている災難や不幸は、≪倫理≫(Ethics)という名の要素の欠如によって導かれた、不可避で理論的な結果に他ならない。
倫理とは、隅へ追いやられているために、都合の良い口実のようなものになってしまった、知られざる要素であるが、解決策はここにある。人類が築き上げ、文明と結びつけた制度からは解決策は出てこない。倫理なくしては、血とがれきと立ち上る煙の光景が広がるのみだが、倫理がもたらされることで、その光景は、細部にわたるまでまったく変わる。歴史的価値のない、腐敗した憂鬱な束の間の出来事に過ぎないものは残るが、そこでは倫理が効果を示している。
性、愛、全ての形態の創造、飲食、対話、そして他者との関わり等、人間を文明と結びつける制度が要請するあらゆるものは、倫理との確固たる関係を持っている。それは最も重要な要素であり、その継続性と柔軟性は、人間にとってより良い暮らしと次世代のためのより良い将来を確保するための基盤となるものである。そして倫理は、折に触れ人類に降りかかるあらゆる災難を解決できる唯一なものである。そのため人間は、多くのものが破壊された中から残されたものを保持するためにも、哲学的な倫理の復興を必要としている。
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( 翻訳者:森山花彩 )
( 記事ID:42193 )