シリア:ダマスカスで女性へのセクハラが横行
2017年03月13日付 al-Hayat 紙


■ダマスカスで痴漢が少女に対するハラスメントの新たな現象に

【ロンドン:本紙】

ダマスカスの政府軍支配地域で最近、少女や女性に対するハラスメントがこれまでにないほどに増大している。言葉での嫌がらせから痴漢にいたるまで、ハラスメントは多岐に及んでいる。親政権民兵が展開し、治安が混乱するなか、被害者は沈黙を余儀なくされている。

ダマスカスのある少女は、大学行きのバスに乗るための停留所に行くのに、通行人や政権側で戦う民兵で混雑する幹線道路ではなく、狭い街路を歩くようにしていると言う。「問題は嫌な思いをするような尋問を受けるだけではありません。今では、IDを確認するという理由で、検問所前で20~30分も留め置かれ、その間、衛兵が近くの検問所の同僚たちを呼びつけ、居心地の悪い視線でじっと見てくるのです」。「治安状況が悪いため、こうしたことが必要だ」という彼らの決まった言い訳ゆえに、こうした嫌がらせに抗うこともできないと言います。

少女、女性、女児に対する嫌がらせは戦争前からシリアで見られる現象だった。当時は多くの場合、保守的でない服装の女性や少女に対するもので、嫌がらせのほとんどは、卑猥な視線や表現に限られていた。そして通常であれば、街の人々の監視の目が嫌がらせを行う連中に向けられていた。しかし、「有力者」、「軍閥」、民兵が政権支配地域を牛耳るようになったことで、嫌がらせは増え、セクハラや痴漢が発生するようになり、また清楚な服を着た少女や女性に被害が集中していった。

別の少女は、混雑するバス停留所で、自分が乗ることのできる数センチほどの隙間を見つけてバスに乗ると、軍服を着た男が後をつけるように同じバスに乗り、不快な思いをしたと述べた。バスに乗っていた人たちが団結しても彼女は抵抗できず、軍服姿の男は彼女を侮辱し、軍ないしは民兵の「一番近い検問所にこの女を連行しろ」と言い放ったのだという。

政権の側で戦う民兵に所属するのは、政権を支持しているからだけではない。最近では、深刻な貧困を理由に、生活必需品を得ようと、民兵に加わる者もいるという。こうした極度の貧困のもと、多くの世帯、そして「第三グループ」(沈黙する人々)などと呼ばれる多くの人々が苦しい生活を送っている。

人権活動に関わる複数の消息筋によると、女性、少女、女児が家族から離れた瞬間に、セクハラ被害が増加することがこれまでの事件から明らかだ。少女の場合、混雑した場所、あるいは女性が多く、男性がいない場所で、被害に遭うことが多いという。複数の報告書によると、多くの男性が、家族が公共の場所で嫌がらせに遭わないようにと家族との外出を避けるようになっているという。ある男性は、自分の経験についてこう話している。「首都ダマスカスの公園で娘たちと腰を下ろすと、公園内で小銃を持ってバイクを乗り回していた若者3人が隣に腰掛けた。彼らは私の娘たちに、怪しげなそぶりをしてみせたので、私は席を移動せざるを得なかった。ところが、彼らは執拗に嫌がらせを続けた」。男性によると「もっとも安全な行動は、娘たちとその場を立ち去ることでした」と続けた。

青果市場を訪れる人々や売り主たちも日々の仕事のなかで女性に対する民兵の嫌がらせを目撃している。ダマスカスでは最近になって誘拐事件も発生していて、なかには拉致された人質を釈放するため身代金が要求されることもあるという。

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:42292 )