シリア:クルド語の復興に向けた動き
2017年04月08日付 al-Quds al-Arabi 紙
■シリアのカーミシュリーにある図書館「ハナール」:クルド語、政策から離れて。
【カーミシュリー:ユースフ・サブリー】
シリア東北部のカーミシュリーという町では「ハナール」という名で翻訳文化が息づいている。このプロジェクトは、2016年末から一部のクルド人作家や有志の人たちによる個人的着想と融資によって始まった。そしてプロジェクト名と同じ名前の図書館が設立された。
この図書館の目的はクルド語を復興させることにある。教育を受けたクルド人の世代の間で、クルド語が次第に忘れ去られようとしていたからだ。ハナールとはアラビア語で「ザクロ」を意味する独自のクルド文化プロジェクトであり、様々な関心を呼ぶ同地域のクルド系の政党や政治とは一線を画している。彼らの唯一の関心は設立者らが語るように、読み物や文化を通してクルド語を普及させることである。ハナールは、消滅や同化を受けない実体としてクルド語をみなし、世界中の本を同言語に翻訳していくことで、周縁化され、忘れさられたクルドの文化の活性化に尽力している。
(中略)
紛争が勃発する2011年以前、シリアのクルド人の多くが排斥に苦しんでいた。彼らの多くはシリア国籍さえ剥奪された。何十年もの間、クルド語は公用語ではなく、最終的には学校ですら教えられてこなかった。こうしてクルド語の書物は出版されず、出版社や文化会館、クルド語の学校は存在してこなかったのである。
(後略)
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( 翻訳者:高橋 舜 )
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