■南レバノン県都、平和と発展のために走る
【ベイルート:本紙】
南レバノンの都市サイダは、パレスチナ難民キャンプのアイン・ヘルワで先日起きた戦闘*による混乱(それは、数年前のアフマド・アシールと彼の武装組織の事件**以来のものであった)の後、歓喜を取り戻した。「発展と平和のために走ろう」というスローガンのもと国際マラソンが開催され、17400人もの人々が参加したのだ。参加者の中には、レバノン、ケニア、エチオピア、モロッコ、アルジェリア、エジプト、ヨルダン、イラク、そしてシリアのプロ選手が20名以上いた。また、(元)国連事務総長補佐官シグリッド・カアグ氏(現、国連レバノン特別調整官)、サアド・ハリーリー・レバノン首相をはじめとする政治、スポーツ、社会各分野の著名人らが参加した。登山家のマキシム・シャアヤーは「このイベントが開催されてうれしく思う。特にスポーツの分野で、レバノンに関するあらゆることを支援したい」と述べた。
また、バヒヤ・ハリーリー議員とフアード・スィニューラ議員は、この大会に参加したことに対して喜びを示した。大会の収益は、数々の団体、NGOなどに還元され、各々の問題提起をアピールするために使われる。「発展と平和のために走ろう」というスローガンを掲げるこの大会は、サイダ国際マラソン協会により開催された。
レバノン人走者の間では、ムーサ・ハダルジュが1位となり金メダルを獲得、フサイン・アワーダが2位、ザーヒル・ザイヌッディーンが3位だった。
数千キロ離れたロンドンでは27マイルマラソンが開かれ、4万人が参加し、ケニアのダニエル・ワンジルが優勝した。また、この大会で3度目の優勝を果たしたメアリー・ケイタニーは彼と同じ国の出身である。ケイタニーは2時間17分1秒というこの大会で史上2番目に速い記録を叩き出し、(2位の)エチオピアのティルネシュ・ディババを1分近くの差で破った。
(後略)
<訳注>
*4月上旬、アイン・ヘルワ難民キャンプ内で「ビラール・バドル」という人物に率いられた武装集団と、それ以外(ファタハなど)のパレスチナ諸派との間で起きた数日間の戦闘を指す。
**「アフマド・アシール」は、サイダ出身のレバノン人、サラフィー主義イスラム指導者。アシール支持者らは2013年、サイダでレバノン軍およびヒズブッラーと戦い多数の死傷者を出した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:中山玲 )
( 記事ID:42549 )