エジプト:エジプト国民が大統領に近づく
2017年05月01日付 al-Hayat 紙

■「大統領に頼め」が国民の要望を原点に戻す

【カイロ:アミーナ・ハイリー】

エジプト人が大統領との距離を随分と縮めている。だが、これは今に始まったことではない。現代史におけるエジプト国民の慣習とは、問題を解決し、難問に介入し、陳情に応えるべく行動するよう、大統領個人に頼るというものなのだ。学校での娘の落第であれ、国の費用による息子の治療であれ、奪われた財産の回復であれ、逃げた女房、放漫な事業運営であってもである。しかし、現在の接近は、もう一方の当事者たる大統領が行なっている措置に現れている。

2014年の大統領選挙期間中、「トゥルア・ブーラーキーヤ」通りに「大統領」との文言と共に設置され、伝統ある庶民の街シブラー地区の実業家グループが署名した巨大な宣伝ポスターの写真の大統領は、現在、多くの公共施設や公社、公立学校に掲げられている写真の大統領その人ではない。確かに、同じ人物、同じ名前ではある。変わったのは、色や期待、要望であり、国民が大統領に接近する度合いでもある。

約3年前に「ムスリム同胞団」による支配からの解放を夢見た国民は、最近では、困難な状況や険しい状態からの解放を夢見ている。危機的な経済と頓挫する法の適用のはざまで、問題が噴出している。こうした問題の大部分は、テロという第三の問題を除けば、二つの軌道の上を回っている。人々の夢は、大統領やその側近らが摘み取っている。無視される群衆に解決の手段や突破口を与えなければ、大統領や側近らの頭脳から特異で遊離した政策が生まれてしまう。解決策とは、時には希望、時には求人といった形で、より良い明日への糸口を掴み続けるような霊薬を与えるものである。

(後略)

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( 翻訳者:友添日向子 )
( 記事ID:42604 )