Deniz Zeyrekコラム:CHP3つの危機の舞台裏
2017年05月09日付 Hurriyet 紙
共和人民党(CHP)は一週間で3つの危機に直面した。私は舞台裏で何が話し合われたのか調べた。初めて入手した情報を共有したい。
■デニズ・バイカル危機
バイカル元CHP党首は4月25日、トルコについて議論される欧州評議会議員の総会のためストラスブールに滞在していた。彼は同月26日、ケマル・クルチダルオールCHP党首に電話し面会の約束を求めた。4月30日日曜日、二人は会った。会合はうまくいった。バイカル元党首による国民投票の結果に関する分析にクルチダルオール党首も満足していた。バイカル元党首は別れ際、会談で話したことをテレビに出て説明してもよいかと聞いた。クルチダルオール党首も「いいでしょう」と答えた。バイカル元党首は次の日の5月1日夜、CNNトルコに出演した。彼が生放送で語っている時、クルチダルオール党首はその番組を見ていなかった。同番組の後半で(番組へ)クルチダルオール党首へのメッセージが大量に届き、電話が鳴り始めた。電話をかけてきた人たちも、メッセージを送ってきた人たちもバイカル元党首へ反発を示していた。クルチダルオール党首は放送後、バイカル元党首の発言を確認した。バイカル元党首(の発言)は前日おこなった会談の内容から大きくはみ出していた。残念に感じたものの、クルチダルオール党首は「彼は意見を表明しただけ。党則の観点から違反はない」と語り、反発を鎮めようとしたが、バイカル元党首は同テレビ番組(出演)を予め決めていたが、会談の間にそれ(テレビ出演)が決まったかのようにふるまったことへの遺憾の意を周囲にもらしていた。
■フィクリ・サーラル危機
5月2日朝、バイカル元党首の発言は各紙の一面に掲載された。しかし、CHPにはもうひとう別の驚きが待っていた。夕刊紙でCHP所属のフィクリ・サーラル国会議員の「真の独裁者クルチダルオール」との発言が見出しとなったのだ。5月1日夜、デニズ・バイカルショックに見舞われていたクルチダルオール党首の5月2日の朝は、バイカル元党首の発言の各紙の見出しだけでなく、「サーラルの発言を見たか」と電話による問い合わせで始まった。サーラル国会議員の二つの文は、クルチダルオール党首を悩ませ激怒させた。最初の文は、「真の独裁者クルチダルオール」である。これは、公正発展党(AKP)所属の閣僚が国民投票の前にもっとも使用したプロパガンダの文であり、それがCHP党員によって用いられたのである。二つ目は、「私たちは6-7時間議論したが、彼は、彼の耳に誰かが何かささやけば、その決定を彼が承認する」との一文であった。クルチダルオール党首は、サーラル国会議員がこの報道に関して説明を行うことを期待した。しかし、サーラル国会議員は55分間の残っていた生放送で、自分の発言を肯定し続けた。この二つの文に関して、ほんのわずかな自責の念も見せなかったのである。クルチダルオール党首は、中央執行員会(MYK)の会合で懲罰プロセスを開始することを求めた。同プロセスは開始された。ムラト・カラヤルチュン氏、イルハン・ケシジ氏、アブッドッラー・オズイットCHP所属メルスィン県支部長が仲介して、クルチダルオール党首からMYKの決定を撤回するよう求めた。彼らはサーラル国会議員がその対応を残念に思っていることを伝えた。しかし、クルチダルオール党首は、「決定を撤回することは党則の観点からできない」と語り、この問題の対応を党会議に任せた。クルチダルオール党首は党関係者に「ムハレム・インジェ氏もデニズ・バイカル氏もその他のものも意見を表明している。指導者の在り方についての主張を明らかにしている。しかし、サーラル氏が語ったことは、直接私に対してであり、私が代表とする地位を標的として弱めるものである」と説明した。
■セリン・サイェク・ボケ危機
ボケ国会議員はCHP副党首及び広報担当を辞任したが、二つの事件での深刻な問題があった。そのひとつは、4月19日におこなった「国民総動員」声明で同日一時間以内にCHP所属のレヴェント・ギョク国会議員によって訂正されることになっていたことだ。クルチダルオール党首は、同声明に関する誤解をボケ国会議員に取り除いてもらおうとしたが、ボケ国会議員は会見後、ある外国使節団との会合へ向かっており、電話を切っていた。そのため、訂正はギョク国会議員がさせられることになった。二つ目の事件は、MYKの会合で採択された「党大会プロセスの開始」決定が発表されることに関して起きた。MYKの会合に関する記者会見をボケ国会議員は開こうとしたが、「技術的な説明が必要であるとのことで、党からテキン・ビンギョル副党首も同席する」と説明された。ボケ国会議員は会合後、友人らに対し、「テキン副党首がおこなった会見には技術的な側面はなかった。私が発表することができた」と発言し、不快感を初めて表した。ボケ国会議員は5月6日の土曜日の朝、クルチダルオール党首と会談した、この二つの事件を話題とした。クルチダルオール党首は、「最初の事件は『否定』とみている」と思わないでほしいと述べた。ボケ国会議員は党大会プロセスの会見では、テキン・ビンギョル副党首に説明を行わせたことに言及し、「これも私に不信感をもっていることを示している」と述べた。クルチダルオール党首は、いかなる不信感もないと話し、「あなたが望むのであれば、広報担当のみ辞任せよ」と提案した。ボケ国会議員は思案するため会談(場所)から退出し、その一時間後に、クルチダルオール党首を再び訪ね、今回副党首も広報担当も辞任することを示した短い辞職願を示した。クルチダルオール党首は時期が適切ではなく、辞任は党の権威を弱めると話した。辞職願には、単に「見受けられる必要性のため」と書いていた。ボケ国会議員もクルチダルオール党首に対し、「心配しないでください。党への損害を与えるいかなる態度もとりません」と述べた。クルチダルオール党首は辞職願を受け取った後、知的管理文化プラットフォームの会合へ向かった。会合が行われている時、トゥンジャイ・ジェイラン特別書記長が中へ入ってきた。「ボケ国会議員の声明」として一つの文書を手渡した。クルチダルオール党首は辞職願だと思い、「私は知らない」といって読まなかった。会合の後、その文書を呼んでショックを受けた。ボケ国会議員の声明は、自身がおこなった会見と180度変わっていたのだ。
■指導力テストのようだ
クルチダルオール党首は党大会で「国家と権力が困難な状況にあり、制度の変革期において、世論はCHPに関してのみ議論がなされることを容認しないでほしい」と呼びかけた…。他方では、知的管理文化プラットフォームに対し、自らが代表を務めて4月16日の後に戦略を作成するプロセスを開始した。明らかとなった最近の出来事をどのように乗り切るのか、クルチダルオール党首にとって、指導力テストのようだ。結果がどうなるか見てみよう…。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:42629 )