モーリタニア:青年の社会批判の場へと変わる「サロン文化」(1)
2017年05月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■文化サロン:モーリタニアの青年たちが社会への批判を表現する空間
【本紙:ムハンマド・ヤヒヤ】
最近、モーリタニアでは社会活動家や知識人による尽力もあって、思想的、文化的なサロンが広がりを見せている。しかしこれらのサロンは、これまでのアラブ世界のそれと大きく異なる。
サロンは年長の学者や研究者の間だけに留まらなかった。青年たちが物事を率先して行い、サロンを彼らの考えや関心を表現する論壇へと変えたのである。これらのサロンは、現実や文化、社会、経済、政治などの分野に対し青年たちが批判的な考えを投げかける場となった。
モーリタニアの詩人サイディー・ウルド・アムジャード氏によると、「文学サロンは多くの洗練された社会で見られる近代的文化的現象であるが、その一形態が、歴史的に古い時代、特にアラブ・イスラーム文明において知られていた。」
文学サロンについて、同氏はさらに本紙に次のように述べた。「啓蒙時代の始まりとフランス革命の勃発とともにこれらサロンは広まった。こうした新たな近代文化のダイナミズムは、自宅を文学や思想、文化の対話のための開かれた空間にした思想家や知識人らを通して、オリエントの現代アラブ社会へと道を拓いた。この潮流の中で輝かしい名を残したのが、例えばメイ・ジヤーダ、アッカード、ターハ・フセイン、アフマド・ハサン・ジヤートなどのサロンである。」
モーリタニア人の間での文化サロンの捉え方の特異性については以下のように述べた。「首都の市場やタクシー、通りの会話の様子だと、特定の思想を好み、文化的刺激に日常的に触れる人や、大衆心理においてサロンという用語は未だ浸透していない。」
(2)に続く
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( 翻訳者:高橋 舜 )
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