エジプト:私たちは「第三のアレキサンドリア図書館」の目の前にいるのか?
2017年05月20日付 al-Hayat 紙

■私たちは「第三のアレキサンドリア図書館」の目の前にいるのか?

【ムハンマド・シャーズィリー】

歴史上、アレキサンドリア図書館は、2世紀以上にわたりアレキサンドリアのエリートに奉仕した最初の歩みを紀元前に止めた。図書館の建物のみならず、古代世界におけるその役割と地位に、火の手が及んだためである。火災は、仕組まれたものでも、自然に発生したものでも、地震によるものでもない。現代人には定着した時代を終焉させ、世界を転換する戦争によるものでもない。新たな因習と異なる条件によって形成過程にある新しい世界に場所を譲るための、天命によって定められた約束によるものなのだ。私たちも知っているように、天命によって定められた約束は、世界を終わらせ、記憶と郷愁へと変える。それを元の姿に甦らすことは、不可能に近い。

しかし、アレキサンドリア図書館は、最初の段階で、世界のために古代ギリシャ思想の成果やファラオ文明の科学、当時の科学のうち人類が到達し、その「中央政府」と文学の影響力によって獲得することができた全てのものを保存記録した。それ以上に重要なのは、従来の図書館とは異なり、神官らによって私的に利用されるのではなく、一般大衆へ膨大な資料を開示したことであった。

エジプトは、ムスタファー・アバーディーとルトゥフィー・ドゥワイダールが提案し、フスニー・ムバーラク元大統領が採択した構想に基づいて図書館の復興を決定、1988年に礎石を置いた。その間、エジプトの学者らは、多かれ少なかれ、過去の図書館の火災に関する研究に従事した。一体誰がこのような火災をもたらしたのかについて、多くの研究がなされた。紀元前48年にユリウス・カエサル率いる艦隊の火災が図書館の壁に延焼し、誤って消失したのか。もしくは、640年にアムル・ブン・アース率いるアラブ人が破壊したのか。または、その間の391年にローマ皇帝テオドシウス一世の命令によって破壊されたのか。歴史家たちは「イブン・アースは、図書館を破壊していない。彼がエジプトを征服した時、図書館は存在しなかったからだ」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:石井泉 )
( 記事ID:42692 )