イエメンの17の県でコレラ蔓延:2万人が感染、222人が死亡
【2017年5月28日 サナア:アーディル・アブドゥッラー】
最近、イエメンのほぼ全ての県および都市において急速かつ深刻な形でコレラが再び蔓延した。それは2016年10月に広まっていた第1波の一部が衰退した約一ヶ月後のことだった。今回、より猛威をふるい、かつ拡大が急速であるようで、飲み水の前例のない汚染が原因である。それと同時に、清掃員への八ヶ月にわたる給料未払いが続いたことに起因するストライキにより、約3週間前から、首都サナアや他の多数の県の地区や通りに廃棄物が蓄積されている。
イエメンで活動する複数の国際機関に近い複数の情報筋は、以下のように推測した。「コレラは、アフリカのツノから、アフリカ移民によって運ばれてきたのであろう。彼らはイエメンの内戦が2年以上前から続いているにもかかわらずイエメンに渡航し続けている」。そして上記の見解は、イエメンの正統政府の保健人口省の次官アリー・ウライディーが強調したことである。彼は「コレラ感染症例一部は、アデンにいるアフリカからの難民複数にみられる。」と述べている。
そして本紙の取材を受けた情報筋は、以下を明らかにした。
「公共給水システムを襲った大規模な破壊は、大半の住民が時として不潔な状態で、人力で水を運搬する境遇へと追いやり、水が一層汚染にさらされている状況を作り出した。そして飲み水が住民の排泄物によって汚染されていることが明らかになった。加えて大量のゴミが町や通りの街区に積み上げられており、それが予期せぬ形でコレラの広まりを加速させる一因となっている。
WHOによると、イエメンにおけるコレラと激しい下痢の症状は2週間で大幅に増加している。また、WHOのイエメン代表のネビオ・ザガリアは最近の記者会見の中で「去年の冬頃から一度目の流行は下火になり、全区域で約130件の死亡例を含む27000件の感染が見られた。」と述べ、続けて「私たちはコレラの再流行を目にしている。これは非常に由々しき事態だ。」と語った。
イエメンで活動する複数の国際機関は急性水溶性下痢の感染者の数の恐ろしい増加が起きていると発表した。またイエメン当局は、この種の下痢の患者の数は5月17日水曜日の朝までの3週間で17219人に達したと述べた。その中の257人が検査の結果コレラであると確認され、死者の数は206人に上る。一方、WHOは先週の木曜日に2万件に及ぶ症例にコレラ感染の疑いがあり、222件のコレラ関連死が17の県で発生したと報告した。
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( 翻訳者:横溝佳那子、中島羽衣、並河美里 )
( 記事ID:42744 )