イギリス:一連のテロ事件を受け、イスラームフォビアが加速
2017年06月17日付 al-Quds al-Arabi 紙
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■イギリスで、最近のテロ攻撃後、イスラーム教徒たちに対するヘイトクライムが増加

【ウィジュダーン・ラビーイー】

イギリスでは、イスラームフォビア〔反イスラーム感情〕現象は後退の途にあるのではなく、その逆にあるようだ。この現象は、マンチェスターとロンドンを狙った昨今のテロ攻撃の後、顕著に増加している。テロ行為が発生する度に、イギリスのイスラーム教徒たちは急いで〔テロ〕攻撃を非難してきた。彼らは、テロ攻撃はイギリス社会全体を標的にしていて、自分たちもその社会の一部としてきた。だが、今般のテロ攻撃に対するイスラーム教徒の非難は、彼らイスラーム教徒と一部のイギリス人の仲立ちを果たさなかった。

ロンドン当局が発行した公式統計によると、ロンドン橋襲撃事件以来、ロンドンでイスラーム教徒たちを狙った犯罪は5倍に増加したという。ロンドン市長官邸が発表した声明によると6月6日の暫定的な統計では、今年度の一日平均と比較し、人種差別事件が40%増加したことが示された。イスラーム教徒に対する一日あたりの犯罪数が増加したのである。こうした増加は、2017年にイスラームフォビアの事件が最も発生していることを示しており、2015年11月のパリ襲撃事件で130名が死亡して以降最大の数値である。

ロンドン市長サーディク・ハーンは数日前、「警察はこのような犯罪を容認しない」として警鐘を鳴らした。また「警察は同様に、ロンドンから過激主義を根絶するために出来る限りのことをしている。ヘイトクライムを容認しないプロセスを辿る」と付け加えた。

さらに、ロンドン市長は、Facebook上のページでロンドン市民に対し「団結し、世界へ明白なメッセージを発信しよう。我々に危害を加え、私たちの生活様式を破壊しようとする者たちによって、私たちの街は決して分断しません」と呼びかけた。

保安局とイギリス警察は、数本のビデオ映像を公開した。その中でイスラーム教徒たちが何らかの危険や怒りの反応にさらされた際に、どのように助けるかが伝えられており、それをあらゆる形の過激主義や差別、人種差別から社会を守るためとしている。

(後略)

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:42832 )