シリア:パルミラ遺跡解放に貢献したロシア軍兵士が円柱に落書き
2017年07月02日付 al-Hayat 紙
RBC, July 1, 2017
RBC, July 1, 2017

■「ダーイシュ」からのタドムル(パルミラ)遺跡救出によっても、ロシア人の「落書き」は食い止められず

【モスクワ:ラーイド・ジブル】

貴重な歴史的遺跡(パルミラ遺跡群)で知られるシリアのタドムル市は、そこに足を踏み入れた者たちが指紋を残し去ることを運命づけられているかのようだ。それは、侵略者、あるいはテロ集団であっても…、「解放者」であっても変わりない。

世界は、「ダーイシュ」(イスラーム国)がタドムル市の遺跡の一部を破壊したことに驚愕した。そのなかにある円形劇場では、ロシアの楽団が昨年(2016年)春、同市の最初の「解放」を祝う大規模コンサートが行われた。だが、ダーイシュはその後、タドムル市を再制圧し、同市の遺跡に「復讐」を行った。

タドムル市は、この3月にロシア軍特殊部隊の大きな貢献もあり、再び奪還されたが、同市の歴史的遺産に対する被害は、その後明らかになったように、終わってはいなかった。

ロシア国営のノヴォスチ通信のカメラマンのキリル・ロマノフスキー(Kirill Romanovsky)氏が撮影した写真が昨日公開され、大きな衝撃を与えた。写真には、ロシア軍兵士が歴史的価値のある円柱などの遺構に彫り込んだと思われるロシア語の文字が写っていたのだ。

写真は、ロシア日刊紙『RBC』によってリークされ、インターネット報道サイトやSNSで大きな議論を巻き起こした。

写真には、円柱の石に彫られた「グロズヌイ」(チェチェン共和国の首都)、「ニーナ」(女性の名前)といった落書きが写っていた。また、「ガリーチ・カリマート」、「サーマーラー4157」など、部隊名と思われる意味不明の落書きもあった。

特派員が撮った写真の公開を見合わせたノヴォスチ通信が過去2週間にわたり、現地で独占取材を行い、テロリストによって破壊されたタドムル市の遺跡の復興と修復に向けたさまざまな計画を紹介する多くの記事を配信し、その遺跡の80%が「ダーイシュの破壊を免れた」と伝えていたことを踏まえると、実に矛盾していると言える。

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:42916 )