軍の何%がAKPで、何%がギュレン派か?
2017年07月04日付 Cumhuriyet 紙
7月15日(クーデター未遂事件)以後、TSK(トルコ国軍)でFETÖ(ギュレン派テロ組織)に属する軍人が占める割合について議論が起こっていたが、今回はTSK内のAKP(公正発展党)支持者が占める割合が問題となった。
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領兼AKP党首の飛行機に乗った数少ない1人であるヒュッリイェト紙のヴェルダ・オゼル氏は、安全保障の専門家メティン・ギュルジャン氏の分析に依拠して、「TSKは、社会の大部分の政治的見解や価値観を反映していない」と述べた記事で、TSK内でAKP支持者が占める割合はたったの1%ほどであると主張した。
オゼル氏は、軍部の85%が「極度に世俗的」で、この極度に世俗的な軍人の中には右翼的な者も左翼的な者もいると述べるが、彼女の記事で特に目を引くのは以下の部分である。
今日、TSK内に今なおFETÖ派の大集団がいるのか?世間で言われているように、クーデタを企てて奔走する者たちがたくさんいるのか?そして書かれているように、軍部にAKP支持者はたったの1%しかいないのか?
■軍の85%は過度な世俗主義者
私は、今や「国家安全保障の専門家」となったメティン・ギュルジャン氏と話している。ギュルジャン氏は元軍人であり、サバンジュ大学付属のイスタンブル政策センター(IPC)の研究者である。彼の博士論文のテーマは「TSKの組織的な変革」だった。
ギュルジャン氏は、博士論文執筆の際に軍内部で大規模なアンケートを行った。彼はまず、次のような一般的傾向があると述べる。ケマリズムは、85%の将校が持つ基本的な価値観、人生哲学である。しかし下位層の者たち(すなわち大尉以下)は出世至上主義者、つまり自身のキャリア志向である。階位が高い(少佐以上)ほど、軍人は政治的見解や価値観を前面に押し出す。したがって、上位層では世俗主義により一層敏感である。
ギュルジャン氏は、軍部の85%が「過度に世俗的」であると述べている。この定義を補うのは「信仰心」の理解である。同氏は、アンケートで、4つの規準からこれについて尋ねた。断食、来世の信仰、利子についての見解、そして宗教と科学の関係性である。この85%の者たちは、宗教が公の場で可視化することに特に反対し、下位層に行くにしたがって世俗主義に鈍感になっていく。
ギュルジャン氏によると、ケマリスト、NATO派、ユーラシア主義者、理想主義者といったあらゆるカテゴリは、この85%の中に含まれる。つまり、みなケマリストであり過度な世俗主義者である。その違いは中道右派の者もいれば、中道左派の者もいるというだけである。
■「依然15%はFETÖ派」
しかしギュルジャン氏は、軍部全体が政治的に右へとスライドしていると観ている。どうやら、イラクとシリアでの展開や、7月15日クーデタ後のプロセスがナショナリズムを強めたようだ。同氏はこの意味で、テロとの闘争において先陣を切った陸軍が「最も中道的な右派」であると述べている。海軍は―もっぱら海岸地域から軍人を採用しているため―世俗主義に最も敏感な軍だ。空軍は「中程度」である。
85%から残った15%の方に話を移そう。ギュルジャン氏は、この部分は「急進的」と評している。FETÖ派の軍人たちもこの集団に含まれている。ただし、FETÖとつながりのある軍人は将校クラスにおいては首尾よく追放されたことを特に強調するが、少佐以下の階級においては、「今なお大きな割合でFETÖとのつながりがある」と述べている。したがって、軍部全体で今なお15%前後のFETÖ派集団がいると言及している。
このような割合に注目すると、AKPを支持する層が本当に1%ほどであるということが明らかになる。したがって、この数字は、TSKが社会の大部分の傾向を反映していないということを示している。
■問題はAKPではなく、エルドアン
ギュルジャン氏は、TSK内でAKPへの支持が減少していることについて次のように述べる。
「軍部では2つの基本的な分裂が続起きた。世俗主義と単一国家の構造だ。最近では第3の分裂が起こった、タイイプ・エルドアン大統領を支持する者としない者だ。」
これを2つの原因に結びつける。1つ目は、AKPの軍部での組織的な政党アイデンティティが弱体化し、エルドアン大統領の個人的なカリスマ性が強まったことだ。2つ目は、7月15日のクーデタ未遂事件が長期的な問題を誘発し、その後私たちが第2次祖国解放戦争を起こしたこと、そしてエルドアン大統領抜きにこの戦いは成功しないと信じていることだ。
ギュルジャン氏によると、エルドアン大統領が7月15日クーデタの後、軍部に向けて行った政策を支持する者たちは、軍の下級階層の50%ほどで、非支持者も50%である。一方、上級階層では、非支持者が70%にも上る。ギュルジャン氏は、この参考事例として、将校と下士官の寮が最も多いアンカラのオラン区にある軍関係者の居住地を提示する。4月16日の国民投票では、この場所にある投票所では、およそ70%が「反対派」だった。
エルドアン大統領への残り30%の支持が完全に周期的なもの、すなわち一時的で内面化されていないということを強調している。ギュルジャン氏は「内面化されたリーダー主義」と定義するエルドアン大統領への支持は「ものすごく低い」と説明する。
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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:42920 )