今年4月に起こった名古屋市の廃ホテルでイラン人男性が遺体で発見された事件の真相究明のために、テヘランの捜査チームが調査を開始した。
今年ファルヴァルディーン月20日[西暦2017年4月9日]、2人の自転車乗った日本人の少女が名古屋市の路上で、古いホテルの傍らに血痕を発見した。彼女たちは好奇心を惹かれ、何が起こったのか確かめるために、何年も前になんらかの理由で従業員が退去して荒廃した廃ホテルへと血の跡を辿りながら、足を踏み入れた。
そして、好奇心に駆られた少女たちは、ナイフで滅多刺しにされ殺されたと思わしき若い男性の遺体へと辿り着いた。彼女たちは恐れおののいて警察へと連絡した。そして警察の殺人捜査班が現場に急行し検証を行った結果、男性の死後7日以上が経過していることが明らかになった。遺体の腐敗が進んでいようと、被害者が日本人でないことは明らかだった。このような状況で被害者の身元が特定するため、遺体は司法解剖へ回された。
【ある失踪者の報せ】
日本の監察医務院において廃ホテルで発見された遺体は、とあるイラン人である可能性が高いことが判明した。これを受けて、日本警察の捜査一課の捜査員らはイラン人の複数の家から息子たちの失踪を届け出たという一件書類を調べ上げた。分厚い捜査ファイルをめくる中、遺体が発見される数日前に30歳になるイラン人の息子について親族が失踪届けを提出していたという記録に刑事らの目が留まった。
遺体の特徴は、失踪していたアシュカーンという名前のイラン人の写真と一致していたが、日本の警察はさらに確証を得るために、イランに住む彼の家族に対して男性の指紋を捜査本部に送るよう要請した。これを受け男性の家族は、居住地区の戸籍課に向かい、同所にある息子の指紋の記録書類を入手して日本の警察に送付した。この結果、遺体はアシュカーン氏のものであり、なんらかの動機によりナイフで殺傷されたこと、そして単独もしくは複数の犯人が彼の遺体を廃ホテルに遺棄したことが確認された。
【家族側の告発】
事件発生から2ヶ月後、男性の遺体はイランへ送られた。アシュカーン氏の家族はテヘランの検察を訪れ、息子の殺人事件の調査を要請した。アシュカーン氏の父親は、昨日「息子は、2013年に仕事を求めて日本に行きましたが、定職にはついておりませんでした。ただ時折、名古屋市にいる親類のホテルで働き、金銭的に困窮している様子はありませんでした。先日もスカイプやネットで息子と連絡を取り合いました。その中で、友人2名に約330万円以上を貸しているが、彼らは返済から逃げ回っていたと聞いています」と述べた。
父親は続けて、「息子と最後に話したのはスィーズダーベダル[春分の日から始まるイランお正月期間の終わりに、正月飾りとして使用した麦の若芽を郊外に置いてくるイベント。2017年4月2日]のことでした。事件の2日後に、息子のフィリピン人の恋人が息子と2日も連絡が取れていないと私の娘に連絡してきました。この知らせを聞いて私たち家族はひどく心配になり、名古屋市に住む親類の1人に日本の警察に息子の失踪届けを出すよう頼んだのです」と述べた。
父親は、「それから数日後、残念なことに、息子が殺害されたとの悲報を受けました。私の長男と妻は、息子の埋葬を行うために2ヶ月後に遺体をイランへと送ってもらえるよう事件捜査の進展を求めました」また「日本の捜査本部は、3人のフィリピン人を事件の被疑者として逮捕勾留しているそうです」と続け、「しかし私たちは、息子から約330万円の借金をしていたという2人のフィリピン人の友人と息子のフィリピン人の恋人が、借金の返済から逃れるために犯行に及んだのではないかと考えています」 と述べた。本紙によると、現在テヘラン刑事裁判官は、この事件の全容解明のため国際刑事警察機構(ICPO)を通じて事件に関する調査を命じ、また日本政府に対し被害者の検視結果をイランへの送付するよう求めている。
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( 翻訳者:HK )
( 記事ID:43202 )