新戒厳令関連法、922免職、57復職
2017年08月25日付 Cumhuriyet 紙

非常事態宣言の枠組みで作成された新非常事態特別政令(以下、KHK)693号、694号が、官報で公表された。官報で公表された693号KHKでは、公務員922人が免職され、57人が復職し、退役軍人13人が職位を解かれ、6の機構・協会が閉鎖された。

非常事態宣言の枠組みで新たにKHK693号、694号が本日付官報で公表された。693号では、海軍司令部の退役者3名、空軍司令部の退役者10名が職位を解かれた。

■3つのメディア組織が閉鎖

さらに、マーヴィ協会、コーラン愛好者協会、アンタルヤ・チャーラヤン高校卒業生協会、ジョジェヴァメディア新聞、新聞スージン、ディヤルバクル・ディジレ・メディアニュース通信という名称の組織が閉鎖された。

■新KHK施行による新たな展開

KHK施行による展開は以下の通り:
国家情報局(以下、MİT)は大統領の指揮命令下に置かれる。MİTは首相府の指揮命令下を離れ、大統領の指揮命令下に置かれる。MİTに対し、トルコ軍内での諜報活動、治安調査活動の権限が与えられた。

MİTの国外任務に対する大統領府の命令:MİT職員の任命、昇進、昇格、訓練指揮に関する権限が首相から大統領に移った。MİT職員の評価に関する追加指標の数値は、もはや首相ではなく、大統領が適用する。MİT職員の国外任務についても大統領が命令を下す。

MİT職員の給与アップ:MİT職員に支払われる「業務困難性」、「業務リスク」、「財政面の責任」などの給与アップと「特殊役務手当」の金額、また、この給与アップ分の支払方法や原則については、財務省の承認を受け大統領が表明する。大統領は、MİT職員の残業代について、指示1つで決めることができる。

MİTの契約ベースの職員も大統領府から:大統領は、MİTに契約ベースの職員を導入することができる。これは、国家公務員法における契約ベースの職員規定に従う必要はない。MİTの契約職員の賃金や支払いについて、大統領が決める。

軍内で諜報活動:MİTは、国防省とトルコ軍の職員について諜報活動や治安調査を実施できるようになる。軍内外であらゆる調査が可能となる。MİTが、トルコ軍内で行う諜報活動の方法や行動原則は、MITが作成する内規により明らかになる。内規は、大統領の承認により、実施に移される。

922名が免職、57名が復職:公的機関・組織に所属する928名が免職された。マルディン、ムシュ、シャンルウルファ、バトマン、シュルナクを含む地方自治体からは、166人が免職された。それ以前のKHKにより免職となっていた公務員57名が復職した。免職となった公務員の中には、シュルナク県副知事のジュネイト・マニサ氏も名を連ねている。同氏は、2月にフェトフッラー組織の捜査で、はじめは免職され、その後身柄を拘束された。マニサ氏が県副知事に就任したのは、免職の3ヵ月前であった。

合計922人が公務を免職となった。内訳は以下の通り。
トルコ国会:5名、裁判官・検察官高等委員会:1名、トルコ歴史協会:1名、銀行調整監視機構:1名、法務省及び関連組織:142名、科学産業技術省:12名、トルコ標準化機構:9名、中小機構開発機構:5名、トルコ特許商標機構:2名、砂糖協会:1名、国家人事庁:2名、トルコ実業協会本部:32名、社会安全機構:1名、環境都市計画省:2名、外務省:4名、エネルギー天然資源省及び関連組織:8名、食料農業畜産省及び関連組織:17名、内務省及び関連組織:215名、警察総局:12名、移住総局:4名、国防省:19名、国民教育省:7名、情報技術通信機構:7名、高等教育機構:172名
また、57名は復職となった。

国会議員の娘、1ヵ月以内に復職:アンカラ広域市で建築士として勤務していたベトゥル・ギョカイ・サマニ氏(AKPアンタルヤ県選出ヒュセイン・サマニ国会議員の娘)が7月14日付KHKで解任されていたが、昨日復職した。ただ、サマニ氏は、娘が解任前に辞職しており、免職は過ちであると考える、と述べた。

軍人205人が免職:陸軍司令部所属106人、海軍司令部所属40人、空軍司令部所属59人が免職された。復職となった公務員の中には軍人も含まれており、内訳は海軍司令部所属9人、空軍司令部所属5人。

学問の分野では免職172人、復職1人:高等教育機構の教職員計172名の免職手続きが行われた。172人中120人が教員(教授含む)であるとみられ、52人は大学職員である。教員1人が復職となった。イノニュ大学講師であったオズギュル・デミルタシュ氏が免職リストから除外された。

免職を行った者も免職の対象となった:エーゲ大学で平和宣言に署名を行った多くの教員を免職してきた当時の学長ジュネイト・ホスジョシュクン氏が、医学部の職を免職となった。ホスジュジュクン前学長は、免職に関する質問に対し、「高等教育機構に対していかなる説明も発表しない」と述べていた。

3つのメディア組織の閉鎖:ディヤルバクルのジョジェヴァ・メディア新聞、新聞スジン、ディハベル通信が閉鎖された。女性に焦点を据えたニュースを配信する新聞スジンは、トルコ語、クルド語のクルマンジー方言、ソラニー方言、英語、アラビア語で発行されていた。

ディジレ・ニュース通信の閉鎖後、ディハベル通信が設立されていた。同通信は、KHK発令後の発表で、「権力によりジャーナリズムは、『懺悔者、用心棒、御用聞き、威張り屋』の職業になってしまった状況で、真のジャーナリズムのあり方を追求してきたディハベルが、夕刻5時に閉鎖される旨の通知を受けた。『あなた方が事実を書き、真実を追い求め、世の声となっているため、不快であり、我々はそれを望まない…』と言われたのだ。創刊以来『事実を突き止める』ため、非常事態宣言ではなく、『ジャーナリズムの普遍的原理』を柱とするディハベル通信が閉鎖された。ただ、ジャーナリズムの原理を、自身の自由な報道に結びつけ、ジャーナリズムの原理に従うジャーナリストが、『事実を暗に葬らない』主張をより重大な決意で行う」との発表がなされた。既に閉鎖されていたラジオ59は、再度開局した。

閉鎖された協会3、再開1:バトマンで設立されたマーヴィ―協会、アンタルヤで設立されたコーラン愛好者協会、アンタルヤ・チャーラヤン高校卒業生協会が閉鎖された。ただ、以前閉鎖された私立ドネゲン遺伝疾病診断センターとマフムディエ社会支援ワクフが閉鎖された。

新警官22,000人、新警護隊員7,500人:警察総局組織では、役職別に特別機動長官、特別機動副長官、特別機動局員が加えられた。警察総局中央機構で特別機動長官1人、特別機動副長官3人が加わり、警察総局地方機構では、特別機動長官8人、警部補佐1,500人、警察官20,000人、市場・市街区警護隊員7,500人など、29008人が加わった。さらに、警察総局中央機構に2000ポストが与えられた。こうして、警察ではKHKにより計32,012ポストが加わった。

官職待ちなく昇格:大佐になってから3年以下で役職を待つ将官は、役職を待つ期間の長さや職務記録は考慮されず、高等軍事総会で評価されるようになる。

軍の「法務官」:統合参謀本部と国民防衛省で法務役務部門が創設された。こうして、軍の法務は、軍の法務役務部門に所属する将校が執り行う。法務役務部門の長とその組織;刑罰、規律、運営、軍事作戦、国際法務の分野で軍司令官を支援する。「法務官」は、必要に応じて、軍事作戦、軍事演習、軍事戦略などの行動にも参加する。法律顧問による代理を条件に、司法・行政事件を、MSBというチームが担当する。法務官は法学部修了者と、現役または契約士官のうち法学部出身の副官、少佐の階級の間での昇進試験で決められる。閉鎖となる軍事法廷、軍事高等行政裁判所の軍事裁判官は法務官となりうる。

沿岸警備隊で強制退役:沿岸警備司令部の大佐及び上級役職者は共通の法令で退役させられる。このため、沿岸警備の人員が待機期間の満了を待つことはなくなる。

退職要求の受理条件:非常事態宣言の期間、国家公務員の退職の受理条件が導入された。国家公務員が退職したと見做されるための要件として、当該空きポジションへの補充が行われ業務を開始するという条件に、「退職要求が受理される」ことが付け加えられた。

賭けに裁判所法の規定:サッカーその他スポーツの対戦において、賭けを行う際に犯される罪に関連する不動産、権利、売掛金を押収できる。この捜査では、通信捜査に盗聴や記録取得の規定が適用される。組織活動の枠組みにおける犯行の有無に関わらず秘密捜査官が任命することができる。技術ツールを用いて盗聴が可能となる。

裁判官及び検察官の武器:裁判官及び検察官は以前、国産・輸入銃を警察総局の現行規則に則り個人で購入出来た。KHKにより個人の銃購入に関する現行規則は削除された。裁判官及び検察は、いまや機械科学工業協会が販売を行う国産・輸入銃や銃弾を、対価を払って個人用に購入できる。さらに法務省は、裁判官・検察官に販売を行うため、機械化学工業協会を通じて大量に銃や銃弾を供給できることとする。

MITの銃に大統領の監督:MITの銃、スペア、銃弾をMIT職員が国内で供給したり、国外から持ち込むことの手続きを、以前首相が承認していたが、大統領が承認を下すこととなる。大統領が承認する手続きは、官報では公布されない。

調査官(検査官)任命年齢の引き上げ:公務員調査官任命年齢が38歳から45歳に引き上げられた。

保健省予備役将校が任命される:統合参謀本部の傘下に位置づけられる一方で、保健省及び保健科学大学に引き渡される保健機構では、保健省が望むなら、トルコ軍の保健部門の予備役将校が任命される。

村落防衛隊の弁護士費用は、省庁より:治安村落防衛隊の業務から生じたとされる犯罪について行われた調査・手続きで、村落防衛隊が弁護のために雇った最大3人の弁護士費用は内務省が負担する。

国有林地に刑務所:森林法の改正により、環境・都市省が国有林地に法務役務を提供する建屋、刑務所の建屋を建造するための許可発行の障害がなくなった。なお、本KHKで、2町が区に昇格された。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:43290 )