第72回国連総会出席のためニューヨークにいるレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、新トルコ・センターの起工式に出席した。起工式でエルドアン大統領は、「我が国の国際外交を強化したいと思っている。このセンターは、外交における私たちの目的を実現する助けとなるだろう」と話し、国連の改革が必要であることにも言及した。
エルドアン大統領がアメリカのニューヨーク州に建設予定のトルコ・センターの起工式に出席した。大統領は、内部にニューヨーク総領事館と国連駐在事務所が設置される予定の新しいトルコ・センターが、困難にあえぐ人々にとって、安全な寄港地となることを目指していると述べた。大統領の演説の要旨は次の通りだ。
「旧トルコ・センターは、発展するトルコの需要に応えられなかった。新しい建物のちょうど向かい側にある国連ビルに、彼らの本来の課題を思い出させるであろうと考えている。国連機関は、皆の問題を取り上げる唯一の機関だ。第二次世界大戦後、世界における脅威や体制は変化した。変化する外部条件に適応するために、国連の改革が必要である。今年、改革は議題には上がったが、構造的な改革への努力は見られない。メインは国連の構造改革だ。我々はイスタンブルが国連の中心になることを申し出た。人間的な価値をもとに構築した国際政治と外交を強化するために、このセンターは目標達成の手助けになるだろう。」
■36か月以内の完成を要求
大統領は、起工式典に、妻のエミネ・エルドアン氏、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、オルグ・フルスィ・アカル参謀総長、レジェプ・アクダー副首相、アブドゥルハミト・ギュル法務大臣、オメル・チェリキEU担当大臣、ニハト・ゼイベクジ経済大臣、ベラト・アルバイラク・エネルギー天然資源大臣、フェリドゥン・スィニルリオール国連代表、セルダル・クルチ在ワシントン大使、エルタン・ヤルチュン在ニューヨーク総領事とともに出席した。大統領は建物の36か月以内の完成を求めた。
■カプセルに手紙を入れて基礎にうめた
エルドアン大統領直筆の手紙は、特別なカプセルに入れて新トルコ・センターの基礎に埋められた。そこには次のように書かれていた。
「トルコは過去15年間で、民主主義と経済において実現した改革で歴史的成功を成し遂げた。今日起工したトルコ・センターは、我が国のこの成功物語のシンボルのうちの一つだ。」
また、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、式典で新トルコ・センターについて、「世界中で有名なニューヨークのシルエットに、我が国の豊かさと特色を付け足していくつもりだ。私たちのトルコ・センターは最も高い建物の一つとして連なる。この特性により、皆が誇りを持つ重要な建物になり、トルコ系アメリカ人社会の結束の強化に役立つだろう」と述べた。チャヴシュオール大臣はその後、北キプロストルコ共和国のタフスィン・エルトゥールオール外務大臣、国連事務総長のイラク特別代表ジャン・クビス氏、イラク・クルド自治政府外交責任者フェラフ・ムスタファ氏らと会合した。チャヴシュオール大臣は、フェラフ・ムスタファ氏との会談に関して、ツイッターアカウントで「私たちのメッセージを今一度強調した」とコメントした。
■チューリップ型にそびえる
約2万㎡の広さを持つ新トルコ・センターは2021年の完成が予定されている。建設は、第三大橋の建設を担当したICイチタシュ建設が、アメリカ建設大手のティッシュマン社と共同で行う。
1億ドル超の費用が見込まれる新トルコ・センターには、国連常駐事務所とニューヨーク総領事館のオフィスの他、上階には外交官が利用する宿泊施設も入居する。
チューリップ形で200人を収容する講堂、会議室やギャラリーサロン、車両が20台収容できる駐車場も備える新プロジェクトは、アメリカの建築会社パーキンス・イーストマンによって設計された。設計責任者のジョナサン・スターク氏は、トルコに来て調査を行った後、セルジュークをはじめ、伝統的なトルコ建築のモチーフを調べ、チューリップの形で空へと伸びる新トルコ・センタープロジェクトを準備した。
■環境に優しい
この建物は水を貯え、利用することを可能にする貯水システムを採用し、グリーンビルディング認証システム「LEED」でシルバーの格付け取得を目指しており、環境に優しい超高層ビルという特徴が備わる。
トルコ・センターの建物は1977年に当時の外務大臣イフサン・サブリ・チャーラヤンギル氏の尽力で購入された。北キプロストルコ共和国の代表事務所とアタチュルク学校があるトルコ・センターの建物は、過去40年間、何百人ものトルコと外国の大統領や首相、大臣たちを迎えてきた。
■35階建て
チューリップの形で空へと伸びる建物は、ダウンタウン・マンハッタン、イーストリバー、ロングアイランドシティから見ることができる。35階建ての建物は街で一番高い建物に一つになるだろう。
エルドアン大統領がニューヨークで宿泊先のペニンシュラホテルへ向かう途中、トルコ国民から大歓迎を受け、ニューヨーク警察は特別警戒に当たった。エルドアン大統領が滞在しているホテルの入り口を通行禁止とし、道にコンクリートのバリアを設置した。
■過密スケジュール
エルドアン大統領を忙しい一週間が待ち受けている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領との二者面談を控えたエルドアン大統領は、今日は国連総会で演説を行う予定だ。エルドアン大統領は、イスラム協力機構が国連で開催する会合で、ロヒンギャ問題についてもスピーチする。エルドアン大統領は、この会合のあと、英国のテリーザ・メイ首相が議長を務める奴隷労働に関する会議に参加する予定だ。水曜日はマンダリンホテルで行われるTÜRKEN財団の夕食に参加し、木曜日にはマリオットホテルでニューヨークで暮らすトルコ人とムスリムの集まりで演説を行う予定だ。大統領はその後、トランプ大統領との二者会談に臨む。大統領のニューヨークでの予定は、イースト&ウェスト協会で行われる演説で終わりを迎える。
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( 翻訳者:西山みなみ )
( 記事ID:43416 )