オスマン帝国期のスルタン、アブデュルハミト2世の遺産裁判において、裁判所はこれまでに特定されたおよそ100人の相続人にどう分割されるのか、専門家の知見を入れた計算を求めた。また裁判所は、提出された相続人書類の真偽について、検察に対し刑事告訴を行った。
■近親度が相続比率を決定する
昨日イスタンブル簡易裁判所で行われた裁判に、アブデュルハミト2世の子孫の弁護士らが出廷した。裁判所は2017年7月9日、イスタンブル共和国検察庁に対し犯罪通知(刑事告訴)を行った。また、弁護士らの要請により特定された約100人の相続人の分配がどれほどになるか明らかにするよう求めた。これに従い、専門家らは、相続人のアブデュルハミト2世に対する近親度によって、すべての財産の中からどれほどの割合で得られるのかを調査する。相続人は、アブデュルハミトへの近親度により大きく、あるいは小さくなる割合で、アブデュルハミトの遺産を手にする。専門家の調査の後、裁判所は、相続人に対しどれほどの割合で分配がなされるのかについて決定を下す。この裁判所の決定をもって相続人は、国に申請することによってアブデュルハミトの遺産を要求できる。
■32人の相続人が7年前に裁判を起こす
地券・不動産登記総局のアーカイブに埋もれていた文書によると、アブデュルハミトの不動産は国内外に7,756件あり、トルコ国内では2,369件の不動産登記がある。アブデュルハミトのトルコにおける所有地は125万6,947デカール(デカメートル)だと言われている。そのうち、391万573デカールは国へ、8,627デカールは個人の手に渡ったと地券・不動産登記所の資料に記録されている。訴訟が行われた後、相続人の数は250人にのぼった。しかし、最終的にアブデュルハミトとの近親度について調査が行われ、この数は100人まで減った。
弁護士らの手の中には、莫大な遺産に関連して、イスタンブルだけでもガラタサライ島、バクルキョイの70ドニュム(1ドニュムはおよそ919平方メートル)の土地、ベイコズとカルタルの各30ドニュムの土地、キャウトハーネの20ドニュムの土地、ヴェリエフェンディ・チャユル及びドルマバフチェの30ドニュムの畑、ニシャンタシュの2邸宅、シシュリ、チャタルジャ、チェクメジェそしてゲイヴェの農場多数、ガラタの工場用地、カバタシュ広場とホルホルの1邸宅と5ドニュムの土地、ベシクタシュのセレンジェベイでは2ドニュムのぶどう園などがあり、国内の多数の県の農場と土地が並ぶ長いリストがあると言われている。
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( 翻訳者:関口夏海 )
( 記事ID:43557 )