EU基準に合わせる作業の一環で2019年からのナイロン袋有料化計画が、実施前から議論が始まっている。プラスティック生産者が制限はプラスティック製品の使用の抑止力にならないと主張する一方、環境保護者はというと有料化を支持し、ナイロン袋の使用を最小限にする決定を望んでいる。
環境都市省によってEU加入の課題への適合措置として準備された過剰包装制限案により、2019年1月1日からナイロン袋は販売所での有料配布となるとされている。
ヨーロッパの特定の国のマーケットでは、ナイロン袋の禁止や制限が適用されている一方、トルコはというと、一部のチェーン店では有料化が施行される前から有料配布している。
この問題について議論が続いているトルコでは、1年で約20万トンの買い物袋が生産されている。産業用の袋、閉じ口のある袋、店のバック、宅配用、洋服の包装といったところまで範囲を広げると51万トンに上る。
トルコでのスーパーや露天市のナイロン袋の市場規模は、約15億ドルを占める一方、運搬用バックの中の包装部門の規模はというと、年間50億ドルである。
ナイロン袋の部門においては明らかに輸出国であるトルコは、昨年6千トンのナイロン袋を輸入する一方、輸出は8万2千トンである。トルコのナイロン袋の輸入にかかる支出は1700万ドルである一方、この製品の輸出での利益はというと2億2600万ドルである。
環境都市省次官ムスタファ・オズチュルクは、買い物における布バックの奨励とナイロン袋の使用の減少を目的に2019年にナイロン袋の有料化の実施を開始すると述べた。
ナイロン袋の突然の廃止は容易ではないと述べたオズテュルク次官は、「これも一つの産業であり、投資している人たちもいる。段階的な変更によりシステムに統合したいと思っている。このシステムに移行した時、ナイロン袋は60%減少するだろう。その後はさらに段階的に減少するだろう。つまり、2021年から2022年にはほとんどナイロン袋が使用されなくなるだろう」と話した。
オズチュルク次官は、経済と国民と生産者に損害を与えない形でこの制度を実現すると述べて、移行への周知を徹底すると述べた。
■制限は解決ではない
プラスティック生産者協会レハ・ギュル会長は、アナトリア通信に行った会見で、環境に配慮した制度を支持するが、ナイロン袋の禁止あるいは制限するといった運用は問題の局面を変えているだけで、世論と消費者を意識づけするキャンペーンを続けることがより正しいと述べた。
ナイロン袋が有料化されれば、消費者はいくつかの袋で運ぶべき商品を、袋にお金をかけないため、一つの袋に詰め込むように努めるだろうと述べたギュル会長は、運搬中に起こる袋の破損が消費者に被害を与え、店のとの間に緊張が生じる原因となるだろうと述べた。
ギュル会長は、ゴミ資源の分別の重要性を皆が認識する必要があると強調する中、「ナイロン袋の目的外及び過剰な消費によって、環境を筆頭にプラスティック原料の輸入に結びついて我が国の経済的な損失ともなっている」と述べた。
■意識付けをする必要がある
消費者協会フェルデ・ヘキムジ副会長はというと、有料化によってナイロン袋の消費量が一定量減少したとしても包括的な解決ではないと述べた。
消費者の意識付けの重要性を述べたハキムジ副会長は、調査ではナイロン袋の有料化が消費の抑止力とならないこと、消費者がナイロン袋の使用を続けることが示されたと説明した。
ヘキムジ副会長は、代替案として自然にやさしい袋の生産の重要性に触れて次のように述べた。
「そもそも禁止の代わりに意識付けを行う必要がある。計算によれば、例えば、袋の再利用しながら1週間で6個、1月で24個、1年で288個、一人の人の平均的な寿命の中で1万4千400個の袋の節約になることが示されている。5人の消費者のうち1人がこのように再利用すれば、2016億個の袋が節約できる。」
■環境にやさしい買い物の提案
継続可能な生産と消費協会フィリズ・カラオスマンオール会長もナイロン袋の使用について消費者の意識付けの重要性に触れながら、「皆がナイロン袋が私達個人への課金ではなく、美しい世界と未来と国の経済のための代金と考えるべきである。この代金がいかに大きいかを知れば、消費者は個人的な対策を直ちに取るだろう」と話した。
カラオスマンオール会長は、買い物では自然にやさしい布バックを使用することを薦めながら、「買い物を自然にやさしいものにできる。ナイロン袋を再使用してみよう。少量消費しよう」と述べた。
グリーンピース地中海担当ニライ・ヴァルダルも1度しか使用できないナイロン袋が環境に害を与えていること、生産の段階的な廃止が必要であると強調した。
大量のプラスティックの生産と消費が将来を脅かしていると述べたヴァルダルは、生産メーカーと政府がナイロン袋とペットボトルの消費を最小限にとどめるべき決定を下す重要性を強調した。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:43579 )