アルジェリア:カマール・ダーウド氏によるアラビア語批判・「アルジェリア語」論は矛盾だらけである(2)
2017年10月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■カマール・ダーウドとアルジェリアにおけるアラビア語の問題

【イギリス:マウルード・ベン・ザーディー】

西洋のメディアの前でダーウド氏がアラビア語を描くこれらの暗い色も、彼がアラブの大衆に向けて話しかける時には、なんと素早く輝かしい色に変わることであろうか。彼は次のように語っている。「アラビア語のフスハー(正則アラビア語)は、世界遺産の言語である。フスハーは文化の言語にして、世界中に問いかける言語である。フスハーは音楽と説法の言語である。フスハーは、その他の言語と同じく、世界を理解し、起きている出来事に語るために個人が持つ道具の一つである」(本紙: 2017年9月16日)

矛盾はこの程度に留まらない。それは多数のイメージと形を帯びており、ダーウド氏の発言と著作を注意深く観察する人にとっては明らかである。このことは「アラブによる水平方向の植民地化」に関するダーウド氏の発言でも明らかである。「アラブによる水平方向の植民地化」とは、古の時代(西暦7世紀)に遡るアラブによる征服活動である。これは消し去ることができず、またアメリカにおけるヨーロッパの入植よりも古い。ヨーロッパのアメリカ入植は、言語や出自の違いに拘わらず、単一の言語によって異なる民族や部族を統一し、全ての人々を統合して、世界で最も強大な勢力であるアメリカ合衆国を造った。その単一の言語とは、植民地化の言語にして多数派の言語である英語である。

アルジェリアは、ダーウド氏が呼ぶところの「アラブによる植民地化」から、語彙・類義語・派生語・修辞法という貝殻の中の宝すべてにより裏打ちされたアラビア語の地位の中で、言語を獲得した。今やアラビア語は世界第4位の言語であり、5億人近くの人々の言語である。カマール・ダーウド氏がこの「アラブによる植民地化」を批判するのであれば、彼はフランスによる植民地化を無視している。フランスによる植民地化は地中海の向こう岸からやって来て、ダーウド氏の先祖もこれと戦った。あとに残されたのもの一つがフランス語である。フランス語はその人気減少にも拘わらず、アルジェリア独立から半世紀以上が経ってからも、この国からの撤退を拒否している。今やフランス語は、世界で最も普及している英語の到来を遅らせている。フランス語は、次世代が与えるであろう着陸の合図を待ちつつ、アルジェリア上空を旋回しつづけている。フランス語は、いつの日か間違いなくこの大地に降りることになる。

(記事ID 43707 に続く)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:43683 )