アルジェリア:カマール・ダーウド氏によるアラビア語批判・「アルジェリア語」論は矛盾だらけである(4)
2017年10月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■カマール・ダーウドとアルジェリアにおけるアラビア語の問題

【イギリス:マウルード・ベン・ザーディー】

要約すれば、アラビア語の問題に関するカマール・ダーウド氏の思想は、おおよそ粗雑で脆弱であり、曖昧さに満ちている。彼はフランスのメディアに次のように語っている。「私はアルジェリア人であり、アラブ人ではない。私はアルジェリア語を話し、アルジェリア・パスポートを所持している」。彼は言語と、民族的ないし国家的な帰属とを区別していないようである。さもなくば、アルジェリアのパスポートと、彼が話す言語との関係は何なのであろう。アメリカ合衆国民はアメリカ・パスポートを所持しているが、彼らの言語は英語である。またカナダ国民はカナダのパスポートを所持しているが、彼らの言語はフランス語または英語である。ダーウド氏は、自分がアルジェリアのいかなる「アルジェリア語」について話しているのか、私たちに明らかにしていない。アルジェリアには、地域方言がいかに多いことか。それら方言の相違点は、いかに広いことか。ダーウド氏は、「アルジェリア語」という用語で彼が意図している物も、その言語の性質と特徴も、その言語を記す文字の種類も、その言語を支配している文法も、その言語によって編纂される文学作品も、私たちに解き明かしていない。さらにダーウド氏は、どうして「アルジェリア語」による著述の代わりにフランス語による著述を好んでいたのかを私たちに明らかにしていない。もしも「アルジェリア語」が言語の地位に上っているならば、彼はその「アルジェリア語」を誇っていたであろうに。

この表面的で粗雑な見方が明らかにしていることは、疑いなく、ダーウド氏が言語というものに精通していないということである。研究と調査と分析と、そして努力と長い忍耐とを要求するこの広大で複雑で地雷が埋められた分野に、彼は精通していないのだ。

(記事ID 43709 に続く)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:43708 )