アルジェリア:カマール・ダーウド氏によるアラビア語批判・「アルジェリア語」論は矛盾だらけである(5)
2017年10月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■カマール・ダーウドとアルジェリアにおけるアラビア語の問題
【イギリス:マウルード・ベン・ザーディー】
アラブ世界の悲嘆し動揺する視線と、フランスメディアの歓迎と支持の拍手喝采のもとで、カマール・ダーウド氏が今日行っているアラビア語への攻撃は、この国における言語とアイデンティティの対立に他ならない。ダーウド氏は、言及されるに値することを付言しなかった。近年彼が繰り返し主張していることは、アルジェリアでは挫折が証明されたフランス語圏を支持する社会の少数のグループによって、何十年も前から繰り返されてきたのである。というのも、フランスによる長い植民地時代を経たにも拘わらず、フランス語は、マリ、コンゴ、セネガルのような他のアフリカの国々で成し遂げたことを、アルジェリアでは成し遂げられなかったのである。これらの国々では、フランス語が現地の言語よりも優勢になり、公用語となった。アルジェリアは、歴史的・地理的・社会的にアラブの国に帰属しているため 、アラビア語は競争相手もなく、 絶えずアルジェリアの公用語であり続けた。それは、アラブの国の子孫の意思と彼らの言語への執着 、そしてフランス語や口語方言への置換の拒否に基づくものでもある。
もしも、メディアが焚きつけるアラビア語に対して敵意に満ちたダーウド氏の著述と発言が、確実に物議を醸し 、論争を引き起こすとしても、アラビア語に影響を及ぼすことはないだろう。深い考察、説得力のある 証拠、明白な根拠、納得するに足る報告、そして議論の余地を残さぬ数字と論理による表現に欠けているからだ。もし仮にアラビア語が絶え間ない攻撃にさらされたとしても、侵攻する軍隊の前で何世紀も前から強固に守られてきたその要塞の石垣の岩ひとつたりとも揺るがすことはできないであろう。アラビア語は今なお強固で、高くそびえている。その天空には、優勢を示す旗がはためいている。その上空には、永遠の魂が泳いでいる。
(以上)
( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:43709 )