パレスチナ:カイロでの「失望」に満ちた対話を受けパレスチナ人の間に衝撃と怒りが広がる
2017年11月24日付 al-Hayat 紙
■パレスチナ:カイロでの「失望」に満ちた対話を受けパレスチナ人の間に衝撃と怒りが広がる
【ガザ:ファトゥヒー・サッバーフ】
ガザ地区の住民をはじめとするパレスチナの人々は、カイロで行われたファタハとハマースを含む様々なグループ間の対話で何ら特筆すべき結果が得られなかったことに対し、大きな衝撃と怒りを覚えた。
13のグループの代表者らは、今週の火曜日(21日)から水曜日(22日)にかけて20時間以上を費やし、カイロにあるエジプト総合諜報庁本部で対話を行った。その後4ページから成る声明が発表されたが、多くの人々はこれを「おぼろげ」で「あいまいな」ものであると形容した。
ガザに住むある住民はこの声明について、「山を産むかのような陣痛に耐えたが生まれてきたのはネズミだった(耐えた痛みの大きさに比べて得られた成果は小さなものだった、という意味)」と述べた。また、マーヒル・タッバーウ教授は自身のフェイスブック・アカウントに、真っ黒な背景にただ一言「革命」と書いたものを投稿し、パレスチナ人に必要なのは不正や抑圧・圧制に抗うための革命と指摘した。
今週水曜日(22日)から木曜日(23日)にかけての深夜帯に差し掛かった時間に最終声明が発表されたが、声明にはガザ地区の住民を不安で眠れなくしている問題に言及した個所は一つも見られなかった。その問題とは、ラファフ国境検問所に関する問題や、統一政府によって科されている制裁措置、ガザの人々の給料削減等の問題であり、パレスチナ人は和解が後退することなく前進することを待ち望んでいる。
(ガザに住む)200万人のパレスチナ人の希望は失われた。代表団の一員としてカイロでの対話に参加したハマース政治局のサラーハ・バルダウィール幹部がこの対話について自身の意見を述べるのを聞いたとき、ガザの人々は激しい絶望感と怒り・不満を感じた。
バルダウィール氏はカイロからガザの記者団とのインタビューに対し、「我々は制裁の解除や国境検問所の開放、和解の前進といった実際的な成果を持ち帰るために持てる力をすべて尽くしたが、残念ながらこれらを実現することはできなかった」と述べた。
バルダウィール氏は、「大きな圧力が我々の合意到達を妨げた」と明言し、「既に合意されたこと(の履行)から逃げ隠れしようとする姿勢があった。我々は国民の望みに適わないこのようなあいまいな結果(声明)でしか合意できず、実行に移せない無意味であいまいな合意に終わってしまった」と述べた。
バルダウィール氏は、「我々がラファフ国境検問所のことについて議論することは許されなかった」ことを明かし、「アメリカの圧力により、パレスチナ当局は和解に向けた協議案件を取り下げることとなった。(ファタハの代表団の一員としてカイロでの対話に参加したパレスチナ総合情報庁長官の)マージド・ファルジュ少将は(先週金曜日にガザを訪問した際)ハマースに対し、米国の圧力により彼らは和解を前に進めることができないと話していた」と指摘した。
しかし、その後数分も経たない間にバルダウィール氏はこの発言を撤回し、「気持ちが高ぶり感情的になってしまった」と謝罪した。
さらに昨日(23日)朝、本来閉鎖されているラファフ国境検問所を通って参加グループの代表団らがガザに帰還した一方で、パレスチナの人々はファタハの代表団トップを務めた同組織中央委員会のアッザーム・アフマド委員の声明を聞いて飛び起きた。アフマド委員はその声明の中で、「統一政府に権限が移譲されない限り(4万2000人に上る)ガザの(ハマースの)職員の給料を支払うことはできない」と述べた。
アフマド委員は昨日ガザのラジオ放送「アル=クドゥス」に対して、カイロでの対話ではガザの電力危機に関する議論はなされず、「権限が移譲されない限り、統一政府が(電力)サービスを提供することはできないということで全員合意した。市民の権利を求める者は干渉を控えるべきであり、干渉することのできない者は干渉する者を非難すべきだ」と述べた。
ラファフ国境検問所に関して、アフマド委員は「開放の期日は全く決まっていない」と述べ、「検問所の開放という措置を完了させるためには依然として複数の要件が存在する。その主な要因はエジプトであり、シナイ半島での治安情勢が依然安定していないことにある」と明らかにした。
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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:43808 )