サウジアラビア:ムハンマド皇太子「テロはイスラームの名を汚した」
2017年11月27日付 al-Hayat 紙
対テロイスラーム軍事同盟国防相会議での記念撮影(撮影:バンダル・ガルウード・サウジ王宮府カメラマン)
■サウジアラビア:ムハンマド皇太子「テロはイスラームの名を汚した」
【リヤド:アブカル・シャリーフ】
サウジアラビア副首相兼国防大臣のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、テロが成す最大の脅威はイスラームの名を汚しムスリムの信仰を歪めることであると述べ、テロリストを追い詰め地球上から消滅させることを強調した。
ムハンマド皇太子は昨日(26日)リヤドで開かれた対テロイスラーム軍事同盟第1回国防相会議の開会スピーチで、「テロや過激主義が成す最大の脅威は罪のない人々の殺害や憎悪の拡散ではない。最大の脅威は我々のイスラームの名が汚され、我々の信仰が歪められることである。ゆえに我々は今日より先、彼らがこの寛容な宗教を歪めイスラーム諸国や世界各国に住む罪なき人々に恐怖を与え続けることを許さない。今日、テロリストに対する追撃が開始された。そして今日、我々は多くの国々で、とりわけイスラーム諸国において、テロの敗北を目撃する。我々は今日、我々こそが彼らを追い詰め地球上から完全に消滅させることを確認するだろう」と述べた。なお、この会議にカタルは出席しなかった。
ムハンマド皇太子は続けて、「今日は40か国以上のイスラーム諸国から非常に強いメッセージが発せられる。イスラーム諸国は協働し、軍事面や資金面、戦略面、または政治面でも緊密に連携をとり、互いの取組を助け合うだろう。そして今日起きるのはまさにこうしたことであり、各国は自国の能力・可能性に照らしてあらゆる分野においてできることを行うだろう」と述べた。
対テロイスラーム軍事同盟事務総長のアブドゥル=イラーフ・サーリフ中将は、加盟国の国防相らにより、各国が連携・団結してテロの脅威を排除しこれに対抗する決意が確認されたと述べた。国防相らはまた、力を合わせ集団としての組織的な行動を意識しつつ包括的な戦略をもってテロの脅威に対処する重要性を強調し、紛争や宗派主義対立をあおり加盟国の国内で混乱や騒乱、動揺を広げようとする者の存在に終止符を打つ必要があることを確認した。
サーリフ事務総長は、「対テロ同盟国」のスローガンの下行われたこの会議の最終声明を発表した。同事務総長はその際、テロが地域及び国際社会の平和、安全保障、安定に対する挑戦および脅威として成長し、存在し続けてきたことを同盟国の大臣らは確認したと述べた。また、同事務総長の声明によると、テロの脅威は国境やあらゆる価値観を越えてかつてないほど深刻になり、特にイスラーム世界ではテロ犯罪やそれによる人命・財産の損失に人々が苦しみ、平穏な社会に暮らす広い階層の人々の夢が奪われていることが、出席した大臣の間で確認された。
加盟国の大臣らは、テロ組織を確実に弱体化・解体・殲滅し、復活の機会を与えないために必要な軍事力を保持することの重要性を強調した。対テロ軍事同盟の活動枠内で実施されるいかなる軍事作戦においても、加盟国の参加は各国の利用可能な手段・可能性および参加そのものへの希望に照らして判断される。
大臣らはまた、対テロ軍事同盟の枠内で行われるあらゆる作戦、計画、イニシアティブにおいて、共同の取組を強化するために努力を重ねる決意を示した。
また、同盟に期待されている任務をこなすために必要な事項や法律上・組織上の要件をサウジアラビアがすべて満たすことを条件に、「対テロイスラーム軍事同盟中央機構」の本部をリヤドに設置することで合意がなされた。この他に合意条件として、同盟の事務総長(中央機構の長)および軍事司令官の任命権、中央機構の内部制度や規則および年度予算の採択権を国防大臣会議議長であるムハンマド皇太子に認めることが含まれた。また、同皇太子が加盟国の調整官任命に関して必要な措置をとり、同盟が他の国際機関とパートナーシップを樹立し国際社会で役割を果たすために必要な調整を行うこともその条件とされた。
同盟の軍事司令官であるラーヒール・シャリーフ退役将官は、この同盟は様々なルートやレベルで機能し、諜報機関の集めた情報の交換や軍事訓練が行われ、この枠組みの中で様々な知見が得られるだろうと述べた。同司令官はまた、この同盟はテロ集団・組織に関する情報を収集し、実際の戦場における現実的なシナリオに則した軍事訓練の実施に役立てるとともに、テロリストに対処するための最適手段を特定し把握することに焦点を当てると述べた。
同司令官は、この同盟はあくまでテロリズムに対抗するためのものであり、それ以外のものを対象とするものではないことを強調した。同司令官はまた、この同盟はテロ対策の必要に迫られた加盟国に対して、技術的にも物質的にも、または訓練の実施においても支援を行うことを約束するだろうと述べた。
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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:43858 )